インターネット至上主義の社会。次の格差は「デジタルへの適応」から生まれる

インターネット至上主義の社会。次の格差は「デジタルへの適応」から生まれる

インターネットを巡って凄まじい生存競争と淘汰の環境が起こり続ける。インターネットがすべてを取り込んで変わっていく社会の中では、インターネットに最適化できる人間と取り残される人間の格差が広がるのは当然のことだ。次の格差は「デジタルへの適応」から生まれるのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

ハイテク企業こそが社会の頂点に君臨する

2020年9月23日。管首相は行政のデジタル化を進める司令塔となるデジタル庁の設置と行政のデジタル化(デジタル・トランスフォーメーション)を指示している。日本の行政はとても先進国のものとは思えないほど前近代的なものなのだが、政府は手遅れ寸前でやっと動き出した。

2020年は、中国発コロナウイルスの感染拡大を受けた社会構造の中で、リモートワーク・在宅勤務が劇的に進み、人々のハイテク依存やインターネット依存がより広く深く定着していく流れが起きた。

コロナで現実社会が停滞すればするほど、ハイテク産業は重要になった。以前よりも増して、ハイテクは人々の生命線となったのだ。

これが何を意味するのか、じっくりと考える必要がある。ひとつ言えることは、もはやハイテク企業こそが社会の頂点に君臨して「人々を支配する強大な存在」と化したということである。

ハイテク産業からは次々と新しいイノベーションが生まれていく。そのたびに、古いものにこだわっている人たちを振り落として進んでいく。

現在はリモートワークのソフトウェアを中心にイノベーションが起きているが、今後もAI(人工知能)、フィンテック、ブロックチェーン、仮想現実、自動運転、ドローン、3Dプリンター、IoT、ロボット等の分野から、想像を絶するイノベーションが次々と生まれてくるのは約束されている。

あと数年もしたら、これらのイノベーションが実用化されたものが続々と現実社会に取り入れられ、溶け込み、「社会全体を完全に変えてしまう」時代がくる。いよいよ私たちは「今までとは違う社会」に入り込んでいく。

この時代の中で、GAFAM(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)が取りこぼした分野が台頭すると、そこから想像をもしなかった下剋上が起きる可能性もある。

いずれにしても、今後のすべてのイノベーションは、インターネットというインフラ上で生まれ、発展し、熾烈な競争を繰り広げるということである。

ブラックホールがすべてを飲み込むように、インターネットはありとあらゆる業界を飲み込み、現実社会よりも仮想社会の方が重要度を増し、仮想社会でうまく生きられる企業と人が時代を制することになる。

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インターネット至上主義の社会

2020年に入ってから一気に人々の中心となっていったのはウェブ会議システムを提供する「Zoomビデオコミュニケーションズ」だった。

マイクロソフトも、グーグルも、アップルも、ウェブ会議のためのツールは保有している。しかし、専業ではない。そのため、コロナ禍に入ってリモートワークが必要となっても素早く動くことができず、一瞬にして「ZOOM」にシェアを奪われた。

小さな、目立たない、無名の企業が一瞬にしてGAFAMよりも影響力を持つような時代になったのである。

これからも、このようなことがしばしば起こる。社会が激変した時、たまたまそこにいた小さな無名のハイテク企業が一気にシェアを奪い取って強大な企業へと変貌していくのである。

しかし、忘れてはいけないことがある。すべてのイノベーションは「インターネット」の中で起こる。つまり、ハイテク産業の中で起こる。今も十分にインターネット時代に入っているように見える人もいるかもしれない。

しかし、これは次の時代から見ると「単なる序章」なのである。

インターネットというインフラはより文明に深く食い込み、もっと緻密に、もっと広大に張り巡らされることになる。次の10年でインターネット至上主義の社会はより過激に進んでいく。

その時、今のトップを走っているアップルやアマゾンでも次のビッグバーンに舵取りを間違えると、あっという間に転落してしまっても不思議ではない。それほどのイノベーションがやってくる。

そして、イノベーションによって激震にさらされるのは企業だけではない。個人もまたイノベーションの大波の中に放り込まれ、うかうかしていると突如として今の仕事で生きていけないようなことになり得る。

イノベーションで淘汰されるような場所にいると、人生が詰む。

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「デジタルへの適応」

インターネットを巡って凄まじい生存競争と淘汰の環境が起こり続ける。インターネットがすべてを取り込んで変わっていく社会の中では、インターネットに最適化できる人間と取り残される人間の格差が広がるのは当然のことだ。

次の格差は「デジタルへの適応」から生まれるのだ。

次の10年は、インターネット社会特有の「ハイテクへの高度な知識、適応力、応用能力、リテラシー」が必要とされていて、それがあるかないかで生存できるかどうかが決まる。

当然だが、インターネットとハイテクの高度な知識があって、そこで生まれているイノベーションに素早く適応し、そこでうまく稼げる人間が時代の波に乗る。残りは振り落とされて這い上がることさえもできなくなっていく。

コロナショックの最中でも、実はインターネット中心に生きていた人たちはまったく影響がなかった。仕事が止まることはなかったし、仕事がなくなることもなかった。むしろ現実社会が止まってリモートワークが推奨されることになったので、仕事が増えた人さえもいた。

こうした流れはコロナが収束しても終わるわけではない。コロナによって企業はよりインターネット至上主義にシフトしているので、むしろ「デジタルへの適応」はもっと深く求められるようになっていくのだ。

だから、次の時代に備えて私たちがやらなければならない最優先のことは、自分のビジネス、日常、伸ばすべき知識、取り入れるべき知識、重要視する能力、適応力のすべてを意図的にインターネットやハイテクに絞っていくことであると言える。

世の中のほとんどすべては「ハイテクの知識がなければ何もできない」ものになる以上、ハイテクへの「高度な知識、適応力、応用能力、リテラシー」がある人間とない人間の差は圧倒的なものになっていく。

格差はここから広がっていくのだ。

生き残るためには、自分が伸ばし、磨くべき能力はハイテクとインターネットに結びついたものでなければ、いずれは取り残される側に立つことになる。

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自分のすべてを賭けて飛び込め

1990年代のOA化の時代には、OAに拒絶感を示した人間が取り残されて最後にはリストラされて捨てられた。「手書きの方が味がある、心が籠もっている」と真顔で主張する人間もいたが淘汰された。

2000年代のインターネット時代には、インターネットに拒絶感を示した人間が取り残されてリストラされて捨てられた。「インターネットは子供のおもちゃ」と真顔で言っていた人間もいたが淘汰された。

2010年代のスマートフォン時代には、スマートフォンに拒絶感を示した人間が取り残されてリストラされて捨てられた。「スマートフォンを使うと馬鹿になる」と真顔で言っていた人間もいたが淘汰された。

これからの10年はキャッシュレスが突き進む時代に入るのだが、その中ではキャッシュレスに対する理解や適応がある人とない人では、生きる世界がまるっきり違ってくる。「現金は紙幣と小銭が安心できる」と真顔で言っている人は淘汰される。

今も日本では「ハンコ文化を否定し禁止するのはいかがなものか?」「ファクスは重要な証拠になる。なくせと言っている人間は分かっていない」とか真面目な顔で言っている人がいる。

次の格差は「デジタルへの適応」から生まれるのだ。こういう人が上に立っていると、その人だけでなく組織そのものも時代に遅れる。それで良いわけがない。

これから起こるイノベーションにいちいち拒絶感を示している人間や組織は、いずれは社会から取り残されて、時代遅れの存在として相手にされなくなり、やがては見捨てられる。そして格差のどん底(ボトム)に転がり落ちる。

どうすればいいのかは明白だ。

私たちは、思い切りハイテクとインターネットの中に飛び込み、自分のすべてを賭けてインターネットに寄り添った「高度な知識、適応力、応用能力、リテラシー」を手に入れるべきなのである。

それをやるかやらないかで自分の運命が変わる。

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