テクノロジーに適応し、インターネットを身体に密着し、直結させた者が生き残る

テクノロジーに適応し、インターネットを身体に密着し、直結させた者が生き残る

こうした時代についていくには、どうしてもテクノロジーのリテラシー(読解力)が欠かせない。インターネットはすでに文明のコアな部分に組み込まれており、それはすなわちテクノロジーが支配する世界になったということなのである。社会の根幹を為すのはテクノロジーだ。ここに深いリテラシーがある人とない人の差は、そのまま情報格差となり、経済格差につながる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

ウェアラブルコンピュータ

インターネットに接続する情報端末と言えば、今やスマートフォンが最多の装置(デバイス)である。しかし、スマートフォンで進化は終わったわけではない。そこから「身につけるコンピュータ=ウェアラブルコンピュータ」に移り変わっていくのも確実だ。

現在、最も成功したウェアラブルコンピュータとしては、アップルの「Apple Watch(アップル・ウォッチ)」がある。

この小さなデバイスで、人々は時間やカレンダーを見ることができるのだが、他にもメールやSNSを確認することができるし、電話もすることができる。電車の駅の改札もこれで通ることもできるし、コンビニやキオスクで会計を済ますこともできる。

その上に、自分の身体の状況や運動の進捗や心臓の動きを知ることもできる。緊急時にはSOSを発することもできる。

実際に使ってみれば分かるが、アップル・ウォッチは、凄まじく実用的かつ多機能だ。アップルの成功を真似て、他の企業も似たような製品を多く出してアップルに追いつこうとしている。

また、ヘッドホンとしての機能から進化している「Airpods」も、どんどん高度化して単なるヘッドホン以上のものになっていくだろう。今後、こうした端末はより高度化していき、人間は否が応でも情報と直結することになる。

さらにアップルはメガネ型のウェアラブルコンピュータ「Apple Glass」の開発に取り組んでいるというのだが、これはAR(拡張現実)をいかに実現するかという部分に主眼が置かれたものであると推測されている。

メガネのレンズ部分に様々な情報が表示されて、目の前のものを見ながら同時にコンピュータの画面やスマートフォンの画面を見ているような情報が表示されるようなものになるのではないか。

今、歩きながらスマートフォンを操作をして前を見ないで歩いて事故に巻き込まれるような人たちが問題になっているが、メガネのレンズに情報が常に表示されるようになったら、社会の光景は間違いなく一変する。

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コンピュータを脳に直結するデバイス

机上のコンピュータから、スマートフォンへ。スマートフォンからウェアラブルへ。コンピュータは、どんどん「身に付けるもの」になっている方向に時代が進化しているのを私たちは感じるはずだ。

最終的にはどうなるのだろうか。

最終的には、コンピュータを私たちの脳に直接埋め込むところにまで行き着く。こんな風に書けば、まるでSFのような話だがSFではない。

テスラ創業者のイーロン・マスクは「ニューラリンク」という企業を新しく立ち上げたのが2017年3月のことだった。この「ニューラリンク」という企業がそれを研究している。

この企業は何を目的とするのか。脳(ブレイン)に直接インターネットを接続させることによって、人間の知能部分をアップグレードする。それを実際に実現するために設立された企業なのだ。

イーロン・マスクはこれを「ブレインターネット」と呼んでいる。

これは「ブレイン+インターネット」の合成語であり、「人間と情報を直結させる」ものだ。あるいは、「ブレインテック」とも言われている。こちらは「ブレイン+テクノロジー」の合成語だ。

具体的には、外科手術で耳の後ろに装着されたデバイスから脳に情報を送り込んだり、逆に脳が考えていることをコンピュータが読み取る。もちろん、最初から完璧に機能するものではないのは研究で分かっているのだが、それを実現させる方向で莫大な研究費が投じられている。

イーロン・マスクは、2020年8月26日。「ニューラリンク」で起きている出来事について最新の情報を発表するとツイートしている。

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使いこなせない人は淘汰されていく世界

基本的に「人間と情報を直結させる」という方向性は定まっており、すべてはインターネットに集約されることになるのは確実だ。

とは言っても、「ニューラリンク」が実現しようとしているものは、実用化されて効力を発揮するまでに、まだまだ時間がかかるかもしれない。さらに、「ブレインテック」は必ずしも成功するわけではない。

しかし、時計やヘッドホンやメガネのようなデバイスによって、インターネットに接続するウェアラブル・コンピュータが時代を変えていく流れはもう起きている。今後もウェアラブルの時代に向かってイノベーションが走っていくことになる。

つまり、インターネットは、ますます私たちの身体に密着し、直結する。

折しもコロナ禍によって人類は「ステイホーム」を余儀なくされ、そのためにリモートワークによる学習や仕事のやり方にどんどん変わっていき、ここ数ヶ月で社会のインターネット化は劇的なまでに加速した。

逆に言えば、インターネットを使いこなせている人間とそうでない人間の格差はさらに広がっていったということができる。

リモートワークを実現するためには、当たり前だがテクノロジー全般の知識があって成り立つものだ。スマートフォンが使え、パソコンが使え、ソフトウェアが使え、ネットワークについて必要最小限の知識があり、クラウドが理解できている必要がある。

自然とそうしたテクノロジーに馴染んだ人には分からないかもしれないが、まったく理解のないところからリモートワークを始めるというのは並大抵のことはない。

一般的な50代や60代の経営者の中には、まるで何が起きているのか分からない世界でもある。だから、リモートワークをやれと言われても、トップができないから何も進まない。

だから、リモートワークが加速すればするほど、そこに踏み込める企業や人と、そうでない企業や人が鮮明に分かれて、使いこなせない人は淘汰されていくという世界が生まれてくる。

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テクノロジーに適応できた人間だけが利益を得る

パソコンの時代になった時にパソコンを使えない人は淘汰され、インターネットの時代になったらインターネットが使えない人は淘汰され、スマートフォンの時代になったらスマートフォンが使えない人は淘汰された。

今後はリモートワーク時代やウェアラブルの時代でも同じことが起こり得る。

こうした時代についていくには、どうしてもテクノロジーのリテラシー(読解力)が欠かせない。インターネットはすでに文明のコアな部分に組み込まれており、それはすなわちテクノロジーが支配する世界になったということなのである。

社会の根幹を為すのはテクノロジーだ。ここに深いリテラシーがある人とない人の差は、そのまま情報格差となり、経済格差につながる。

だからこそ、私たちは自分の持てるすべての努力をテクノロジーのリテラシーに注ぎ込む必要がある。縦横無尽にテクノロジーを使いこなせる人間にならなければいけないし、テクノロジーに自分の才能や未来を賭けなければならない。

この社会で生き延びるのは、より深くテクノロジーを使いこなし、テクノロジーに適応していくことであるのは間違いない。

そこから外れた瞬間に淘汰される。そんな時代になってしまっている。これは、40代以降の「子供の頃にインターネットがなかった時代に生きていた人たち」が特に注意しなければならないことでもある。

環境に合わせて変化できる者が生き残る。テクノロジーが想像以上の濃度で支配する世界では、テクノロジーに適応できた人間「だけ」が利益を得る。インターネットを身体に密着し、直結させ、適応できた者が生き残る。

時代を見誤るべきではない。

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