「中国には投資すべきではない」というのは、ますます重要な認識になってきた

「中国には投資すべきではない」というのは、ますます重要な認識になってきた

アメリカの株式市場が暴落している最中では気づかないかもしれないが、最も大きな傷を負うのはアメリカではなく中国であることは言うまでもない。そして次に傷を負うのは中国に関わりの深い日本・韓国・東南アジア・ドイツ・南米である。とすれば、新型コロナウイルスの混乱の中でどのように動けばいいのか分かるはずだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

深い傷を負うのは、言うまでもなく本丸の「中国」

新型コロナウイルスで市場は激しく動揺している。それも当然の話だ。新型コロナウイルスの直撃を食らっている中国は全土が都市機能を麻痺させており、それが2ヶ月も続いている。

多くの人たちが次々と新型コロナウイルスにかかって倒れていくのと同時に、人々は政府の命令によって屋外に出ることができなくなってしまい、商店はほぼ売上ゼロに近い状態にまで追い込まれている。内需は消えた。

さらに人々が自宅に監禁された状態なので、企業活動も工場もストップした状態になっている。言って見れば、中国は2ヶ月も経済活動が停止したということになる。これを受けて、国家主席の習近平は2020年2月23日にこのように言っている。

『情勢は依然として複雑で緊迫している』
『経済社会への大衝撃は不可避』

今後、中国経済の大打撃のニュースは次々と入ってくる。中国経済が大打撃を受けるのが確実になった今、これから中国と関係の深い日本、韓国、東南アジア、ドイツ、南米の経済もダイレクトに悪影響を受ける。

世界がこのように悪影響を受ければ、当然のことながらアメリカの株式市場が混乱するのは当然の話である。

「経済社会への大衝撃は不可避」と習近平が言った翌日の2月24日、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は一時1000ドル近く下落したのだが、2020年は大混乱が何度も何度も続くだろう。

最も深い傷を負うのは、言うまでもなく本丸の「中国」である。

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中国への攻撃はアメリカの超党派の総意

中国経済は、新型コロナウイルスの問題がなくても2019年の段階で行き詰まっていた。中国はトランプ大統領に貿易戦争を仕掛けられてグローバル経済から切り離されようとしていたからだ。

中国は自力でイノベーションを生み出して発展した国ではない。他国から知財や技術を合法非合法問わず、ありとあらゆる手口で盗み取って「自力発展した」と自画自賛しているインチキ国家である。

中国が経済発展したら民主化すると考えて1990年代から破格の待遇で経済大国化への道を推し進めてきたアメリカも、中国が民主化することはないと気づいてから、中国共産党政権を公然と見放すようになっている。

2015年あたりからアメリカは中国と距離を取り始めるようになっていたのだが、トランプ政権が誕生してから中国への攻撃はどんどん先鋭化するようになった。

しかし、中国警戒論を主張して国際ルールを守らない中国に対して激しい憤りを持っているのはトランプ政権だけでない。

「中国は危険だ。狡猾だ。締め上げろ」というのは、共和党・民主党問わず超党派の議員が発言している。ファーウェイに対する締め付けも、民主党議員が積極的に関わっている。中国への攻撃はアメリカの超党派の総意なのである。

そのため、中国は今までのように他国から技術・知財を盗んで経済発展するビジネスモデルは取れなくなる。2019年の段階で、中国経済はすでに正念場に立たされていたのである。

そこに、2020年1月から一気に中国を追い詰めたのが新型コロナウイルスだった。

2020年2月、ドイツ銀行やヒルトンの大株主にもなっていた中国の超巨大コングロマリット企業である「海航集団」が16兆円あまりの巨額の負債を抱えて行き詰まっているのだが、こうした倒産劇はこれから次々と明るみに出る。

新型コロナウイルスは容赦なく中国の負債を抱えた企業を追い込んでいく。

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行動制限を緩めることも厳しくすることもできない

新型コロナウイルスがいつどのように収束するのかは、依然として未知数なところがある。ウイルスの収束はワクチンがいつ開発されるのかにかかっている。それが、今のところ分からない。

新型コロナウイルスはSARSのワクチンが効かないことはすでに分かっている。そして、抗HIVワクチンも重症者には効果を発揮しないことも報告されている。そのため、既存のワクチンや薬剤では新型コロナウイルスを収束させるのは難しい。

そうであれば、感染者を増やさないために人々の行動を徹底的に制限して、濃厚接触を減らしていくしか方法はない。

しかし、問題がある。

そうやって人々の行動を徹底制限をすればするほど、経済的に大きなダメージとなることだ。

すでに中国では北京も上海のような大都市でさえも行動制限が厳しく行われているのだが、そうなれば人々は買い物ができないのだから内需は壊滅状態となる。

会社での通常勤務も制限がかかるのだから、生産活動も営業活動も大いに滞る。さらに工場も通常のペースで生産ができないか、もしくは全面停止・閉鎖を余儀なくされてしまう。

経済のダメージを最小限に抑えるためには人々の行動制限を一刻も早く解除しなければならないのだが、ワクチンが開発されない状況の中で行動制限を解除するとウイルスはより蔓延してさらに甚大な被害が広がってしまう。

ワクチンができるまで、中国は行動制限を緩めたり強めたりしてコントロールするしかない。それは、どのように巧みにやったとしても平常レベルには戻せないので、結局のところ、中国はワクチンが開発されるまで翻弄され続けることになる。

『経済社会への大衝撃は不可避』なのだ。

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「中国には絶対に投資すべきではない」という認識

中国はグローバル経済に深く組み込まれて強固なサプライチェーンを構築していた。そのため、中国のサプライチェーンが混乱したら全世界の多国籍企業にも甚大な悪影響を与えることになる。

アップルは2020年2月18日に「2020年第2四半期の売上高ガイダンスを達成できない」と異例のプレリリースを出している。

アップル製品の多くは中国で製造され、その製品は中国人の消費者に多く買われていたのだが、今回の新型コロナウイルスによって生産と売上の両方に悪影響を受けることになった。

アップルだけでなく、多くの半導体企業が中国の混乱によって悪影響を受けることになる。

自動車産業もその部品の多くは中国の工場に頼っているので、生産に支障がきたしている。服飾業界も生産拠点が中国にあるので、製造が停止してしまっている。おおよそ、製造企業で悪影響を受けない企業はないのではないか。

だから、アメリカの株式市場は2月24日に強烈な暴落に見舞われているのだが、問題が解決しない限り、このような事態は何度でも起こり得ることになる。本丸は中国だとしても、中国だけが問題なのではなく世界中が影響を受ける。

しかし、アメリカの株式市場が暴落している最中では気づかないかもしれないが、最も大きな傷を負うのはアメリカではなく中国であることは言うまでもない。そして次に傷を負うのは中国に関わりの深い日本・韓国・東南アジア・ドイツ・南米である。

とすれば、新型コロナウイルスの問題が収束する時に最も早く解決するのはアメリカであるということに気づくはずだ。アメリカは一番傷が浅く、一番早く立ち直れる国である。

「中国には絶対に投資すべきではない」というのは、新型コロナウイルスの問題でますます重要な認識になってきた。

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