世界を支配するのは、100%の確率で「アメリカの超巨大ハイテク企業」である

世界を支配するのは、100%の確率で「アメリカの超巨大ハイテク企業」である

音楽や映像の分野は、もうすでに「アメリカの超巨大ハイテク企業」が飲み込んだ。新聞も出版の分野も「アメリカの超巨大ハイテク企業」が飲み込んだ。時計業界も飲み込まれた。医療業界も自動車業界も飲み込まれつつある。「アメリカの超巨大ハイテク企業」は、今後もありとあらゆる業界を取り込んでいき、既存の業界を破壊していく。しかし、本格的になるのは実はこれからだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

音楽はデジタル化し、インターネットがそれを取り込んだ

CD・DVD販売のHMVは、2013年に資金繰り悪化で経営破綻し、2018年12月にも再び経営破綻してしまった。今は音楽はストリーミング配信で聞くのが「当たり前」であり、わざわざ店でCDやDVDを買おうと思う人は少なくなっている。

いや、世界はすでにそうなっているのだが、日本人だけは未だにCDやDVDを買っている。こんな状態だから日本は最先端のイノベーションから遅れて世界に取り残されていく一方なのだが、そんな日本でもいずれはCDやDVDからストリーミング配信の方に比重を移していくのは間違いない。

それは、CDやDVDのレンタル事業をに全国チェーン展開している「TSUTAYA」が、2017年からどんどん閉店しているのを見ても分かる。

音楽はデジタル化し、インターネットがそれを取り込んだ。

だから、デジタル化した音楽の最大の販売業者は既存の音楽業界ではない。アメリカの超巨大ハイテク企業だ。具体的に言うと、アップルやグーグルやアマゾンが音楽業界の頂点に立った。

つまり、音楽業界はアメリカのハイテク企業が最重要プレイヤーであり、それゆえに音楽・映像とインターネットは、もはや切り離せないものとなっている。

今でも人々は何かの映像を見たいと思ったら、CD・DVDのレンタルショップに行くよりもまずスマートフォンでユーチューブを出す。思ったらすぐに手のひらで見たい映像が出せる。そんな時代にわざわざCD・DVDのレンタルショップに行くはずがない。

今後、「5G」の時代が浸透していくとインターネットの映像はますます鮮明になり早くなるわけだから、「アメリカの超巨大ハイテク企業」がすべてをこの分野を飲み込んでいくのは揺るぎない未来である。

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バフェットでさえも、新聞事業に見切りを付けた

2020年1月。ひとつのニュースがアメリカに駆け巡って「時代の移り変わり」を人々に認識させた。世界最強の投資家であるウォーレン・バフェットが、バークシャー・ハザウェイの傘下に置いていた新聞事業をすべて売却してしまったのである。

ウォーレン・バフェットは1970年代からワシントン・ポストの株主になってから、ずっと新聞事業を気に入って保有し続けており、その他の地元新聞社も含めて80紙近くを傘下に置いていた。

そして、新聞事業の財務見通しが悪化してもずっと手放さなかった。それほどバフェットは新聞事業を気に入っていたのである。しかし、そのバフェットでさえも、新聞事業に見切りを付けた。

日本人の中には未だに「紙の新聞」にこだわっている人もいるのだが、もうビジネス的に言えば紙の新聞に注力したところで何の旨みもない。

人々はすでにスマートフォンで当たり前のようにニュース記事を読んでいる。新聞だけではない。小説も漫画も人々は手元にあるスマートフォンで読んでいる。書籍のスタイルにこだわる人は電子書籍が用意されている。

新聞も書籍もデジタル化され、インターネットがそれを取り込んだ。だから、街の本屋は次々と潰れている。約21年間にわたり営業を続けてきた「ブックファースト梅田3階店」も2020年3月6日に閉店が決まった。

出版社のビジネスモデルも成り立たなくなり、取次問屋もまたビジネスが収縮している。

紙の新聞や書籍が全滅するわけではない。紙を愛する人は依然として多い。高齢者の多い日本は特にそうだ。しかし、紙はもはや主流にはなり得ない。

紙の新聞や書籍は時代の流れから見ると淘汰されていくものであり、出版社はもう紙の書籍を印刷して儲けるビジネスモデルでは生きていけなくなっている。

インターネットは新聞や書籍の分野を飲み込んだ。この分野は、もうとっくに「アメリカの超巨大ハイテク企業」が制したのだ。今ではウォーレン・バフェットの最大の投資先も新聞社からアップルに様変わりした。

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新聞社の優位性はどんどん切り崩されていく

情報は「アメリカの超巨大ハイテク企業」が制した。具体的に言うと、アップルやグーグルが頂点に立った。新聞社も必死でインターネットに注力しているが、インターネットの世界では新聞社も「大勢の中のひとり」に過ぎない。

大勢の上に君臨しているのが「アメリカの超巨大ハイテク企業」なのだ。

いや、そうは言っても情報を書くのは「記者」であり、記者を抱えた新聞社は強いという反論も数年前まであった。しかし、その根底も崩れつつある。

天気の情報、スポーツの勝敗記事、金融市場の動きのような形式が固定化したルーチン的な記事は、もう欧米では人間の記者が書いているのではなく、AI(人工知能)が書いている。

記者の仕事も「アメリカの超巨大ハイテク企業」の凄まじいまでのイノベーションが奪い取っていこうとしている。この流れはさらに拡大していくことによって新聞社の優位性はどんどん切り崩されていく。

さらに欧米では、ジャーナリスト自身も自分の取材能力をインターネットの自分のSNSやブログやユーチューブで「売る」ことができるようになり、新聞社に所属する意味も消えていこうとしている。

自分で情報をインターネットに売れるようになったのであれば、「なぜ新聞社に所属して能力を中間搾取されないといけないのか」という話になっていく。それよりも自分でインターネット内にメディアを持った方がいい。

ユーチューブなどは無料で自分のチャンネルを開設できる。このようなインフラを無料で使えるなど、かつては考えられなかった。「5G」の時代になったら、人々はますますテレビよりもインターネットの方に傾斜するのだから、広告もテレビからインターネットにシフトしていく。

そこにアップルやグーグルやフェイスブックやアマゾンやマイクロソフトなどの「アメリカの超巨大ハイテク企業」が待ち受けている。グーグルはいまや最強の広告代理店でもある。

「アメリカの超巨大ハイテク企業」はすべてを取り込んでしまったのだ。

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既存の業界を破壊していく超巨大ハイテク企業

「アメリカの超巨大ハイテク企業」は私たちが予想もしない分野でも他業種を飲み込もうとしている。たとえば「アップル・ウォッチ」は、あっと言う間に時計業界を飲み込んでしまったのだった。

アップルが2019年に販売した腕時計は『スイスの腕時計産業全体の販売数を1000万本近く上回った』とイギリスの経営コンサルティング会社は報告している。すでに若年層は「普通の時計」を買わない。アップルのスマートウォッチを望んでいる。

普通の時計は時代遅れと化したのだ。

「アメリカの超巨大ハイテク企業」は、今後もありとあらゆる業界を取り込んでいき、既存の業界を破壊していく。しかし、本格的になるのは実はこれからだ。巨人の支配はまだこれから拡大していくのである。

時計業界を制したアップル・ウォッチを使ってみると分かるが、この「時計」は時計だけでなく、さらに別の業界を見据えていることがすぐに分かる。

アップル・ウォッチは心拍数を記録する機能があるのだが、この技術は凄まじく洗練されており、これによって心臓発作を検出する能力を身につけている。今後、心臓に問題を抱える人は必須のデバイスとなる。

さらにこのアップル・ウォッチは血糖値も測れる可能性も指摘されている。つまり、アップルはIT技術によって人間の身体の変化を医療的に測る技術をアップル・ウォッチで完成させ、医療業界をも制する可能性もあるのだ。

人工知能も医療業界に取り入れられるようになっていて、病気の発見や創薬の分野で深く関わるようになってきている。いずれ、「アメリカの超巨大ハイテク企業」は医療の分野をも制するかもしれない。

さらに「アメリカの超巨大ハイテク企業」は、それぞれ自動運転する車にも莫大な研究費を投じているのだが、あと数年で何らかの成果が生み出せると言われている。

自動運転に関してはIT企業のCEOであったイーロン・マスクがテスラ社で最先端を走っているのだが、テスラ社は2020年1月8日の時点でGMフォードの時価総額で合計を初めて上回った。

いよいよ「アメリカの超巨大ハイテク企業」が、変わり映えしなかった自動車業界をハイテクで駆逐する時代になったということだ。

世界を支配するのは誰か。紛れもなく「アメリカの超巨大ハイテク企業」である。すでに100%の確率でそれは決定した。これでも、アメリカに投資しない人がいるというのが私には信じられない。

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