組織に所属するのではなく「インターネットに所属する」のがこれからの標準に

組織に所属するのではなく「インターネットに所属する」のがこれからの標準に

「組織に所属して生きる」というスタイルがアテにならなくなっている。組織はもう雇用者を最後まで守らない。途中で使い捨てする。利益重視の経営のために雇用者の賃金も最低賃金に収斂させようとしていく。組織にしがみついて生きるメリットが薄れている。時代はとっくの前に変わってしまっている。だから、若年層から新しい生き方が生まれているのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

組織に帰属しなくてもインターネットで何とかなる

組織に組み込まれて上司に命令されるがままに生きて定期的に給料をもらうスタイルが好きな人もいるかもしれないが、組織が好きではないし、命令されるのも好きではないし、決まりに従うのも好きではないという人もいる。

すでに多くの会社組織は、終身雇用で定年までずっと面倒を見てくれるような余裕もなくしているし、年功序列も崩壊しつつあるので、長くいたら自動的に給料が上がっていくという仕組みも消えている。

つまり、安い給料で我慢して定年まで面倒を見てもらうという昭和時代のスタイルは遠くに消え去って、今はもう組織に頼れない時代になっているというとでもある。

そうであれば、別に無理して組織に所属する必要性を感じない若年層が増えても当然であり、実際に組織に所属しないで生きる方法を多くの若年層が模索している時代であるとも言える。

「組織に所属しないで生きたい」と考える若者たち、あるいは「もはや組織はアテにならない」と危機感を持った人たちは確実に増えている。そして、こうした人たちが最も頼りにしている武器が「インターネット」である。

インターネットでモノを売る。インターネットで広告収入を得る。インターネットで動画を配信して有名になる。インターネットで情報を売る。インターネットで労働力や才能を提供する……。

多様な「稼ぎ方」がインターネットで広がっており、もはや組織に帰属しなくてもインターネットで何とかなるようになっている。

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若年層がテレビよりもユーチューブを好むのは当然である

2020年2月3日。グーグルはユーチューブの売上高を初めて開示した。ユーチューブの2019年売上高は151億5000万ドル(約1兆6500億円)だった。

ウォール街は「200億ドルくらいはあると思っていた」と失望してグーグルの株を売り浴びしているのだが、それでもユーチューブひとつで1兆6500億円が稼げているというのだから、その規模の大きさには驚くべきものがある。

ユーチューブは投稿された動画に広告が流れて広告収入で稼ぐビジネスモデルだ。まずは、多くの視聴者を集める動画が必要だ。

そのためグーグルは大勢に視聴される動画を作ってくれるクリエイターに広告収入を振り分けているのだが、いまやその広告収入で年間収入数億から数十億も稼ぐクリエイターも大勢出てきている。

子供たちに「将来は何になりたい?」と訊ねたら「ユーチューバー」という答えが出てくるという時代だ。ユーチューバーになるというのも、組織に頼らないで生きるためのひとつの生き方である。

かつては、自分をアピールしたい人や、たくさんの人に自分を見てもらって有名になろうと思う人は、テレビに出るくらいしか選択肢がなかった。

しかし、テレビに出れる人というのは限られているし、人脈もコネも必要だった。また、どこかのプロダクションに所属しなければ、なかなか仕事が回ってこなかった。テレビに出るというのも、結局は間に組織が介在していたのである。

しかし、ユーチューブは関係ない。

自分の持っているスマートフォンや自撮り用のカメラで自分を撮って、それをアップロードしたら、あっと言う間に大勢の人たちに見てもらえるようになったのだ。しかもアップロードは無料でできる。人気が出れば稼げる。

インターネットによって、誰でも可能性が拓けたのである。面倒くさい「組織」と関わらないで、自分の采配で好きなことをできるのだから、若年層がテレビよりもユーチューブを好むのは当然である。

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インターネットは、自分で自分を売ることができる

モデルになりたい女性は、モデル事務所に所属してどこかの雑誌に自分の写真を載せてもらうくらいしか自分をアピールする方法はなかった。しかし、今は違う。やはりインターネットが彼女たちの武器になる。

インターネットではフェイスブックもあればインスタグラムもあればユーチューブもある。女性が特に好んでいるのはインスタグラムだが、そこでも多くの女性が自分自身の写真や個性を自分でアップロードしている。

ここでも、ひときわ個性が際立っていたり、美しかったり、目立っていたりすると、多くの人々が彼女をシェアするようになり、シェア数が多いと企業とタイアップして稼げるようになったりする。

そこまでいかなくても、インターネットのない時代には埋もれていたはずの女性たちが百花繚乱で個性を競い合っている。自分を売り出すのに、どこかのプロダクションに面接したり、自分を出してもらうために誰かに頭を下げたりしなくてもいい。

インターネットにアップして自分を見てくれる人たちと直接つながることが可能になっているのである。

インターネットは、自分で自分を売ることができる。自分の個性を誰からも否定されることなく、変えられることもなく、命令されることもなく、本当に自分が良いと思ったスタイルで勝負することができる。

自分自身が多くの人に爆発的に受け入れられれば、それはラッキーなことでもあるし、受け入れられなかったら試行錯誤しながら変えていくこともできる。そういうことができるのである。

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組織に所属するのではなく、インターネットに所属する

「組織に所属して生きる」というスタイルがアテにならなくなっている。組織はもう雇用者を最後まで守らない。途中で使い捨てする。利益重視の経営のために雇用者の賃金も最低賃金に収斂させようとしていく。

組織にしがみついて生きるメリットが薄れている。時代はとっくの前に変わってしまっている。

もちろん、そうだとしても誰もが組織から離れたいと思っているわけではない。中には組織という「長いもの」に巻かれて、つつましく生きるのが合っているという人もいる。組織の中でいることで頭角を現すことができる人もいる。

あるいは、起業家のように自ら組織を作り出して率いることに喜びを感じる人もいる。生き方は多様であり、人の個性も多様である。組織を完全否定するわけではない。

しかし、組織が昔ほど頼りにならなくなっている以上、若年層はもう意識の中では「組織に所属しないで生きる」ことを目指しているし、組織に所属していてもメリットはないと感じる人たちも増えている。

もし組織に所属しないで生きていくのであれば、組織の代わりにインターネットに所属して生きるのが最適解であることは時代が指し示している。

組織に所属するのではなく、インターネットに所属するのだ。

インターネットは広大だ。自分の居場所をインターネットで探し、インターネットで自分を売り込み、インターネットで稼げる環境を作る。それが「インターネットに所属する」の意味である。

自分が稼げる分野と場所はインターネットのどこにあるのか。それを見つける。そして、そこで勝負する。今の時代に求められている「新しいスキル」があるとすれば、「インターネットのどこで自分の個性を発揮できるか」を見つけるスキルだろう。

『グーグル ネット覇者の真実 - 追われる立場から追う立場へ(スティーブン・レヴィ)』

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