世の中を見るためには、テクノロジー・リテラシーは必須の世の中になった

世の中を見るためには、テクノロジー・リテラシーは必須の世の中になった

人工知能は、今後さまざまな部分に搭載される。ヘッドフォンにもメガネにも間違いなく搭載されていくだろう。また、私たちが今は誰も気づいていない部分にも人工知能が搭載されて世の中を変えていくはずだ。次のイノベーションは「今ある何かと人工知能を組み合わせたもの」で起きるのは確実なのだ。その「組み合わせ」で最も社会に必要とされ、莫大な利益を手に入れた企業が次の時代の巨大企業になっていく。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

人類を一変させるイノベーション

人類を変えた3つのリンゴがあると言われている。ひとつは「イブのリンゴ」である。人類はこれによって失楽園を経験することになった。もうひとつは「ニュートンのリンゴ」である。人類はこれによって科学に邁進することになった。

そして、もうひとつは「ジョブズのリンゴ」である。人類はこれによって凄まじいイノベーションの社会に生きるようになった。

今後の社会は、インターネットとテクノロジーの進化がますます現実社会を飲み込んでいき、それが大きな潮流となって世界を覆い尽くしていく。その中では現実社会に大きなインパクトを与えた「イノベーション」が重要になる。

今後も人類を一変させるイノベーションが湧き上がって時代を変えていくことになるだろう。

ここ10年で世界を一変させたイノベーションは、まさにスマートフォンであると言える。スマートフォンは、アップルのアイフォーンがオリジナルである。アイフォーンというイノベーションは、「電話とインターネットを組み合わせる」という視点で生まれたイノベーションだった。

アップルはその後、アップル・ウォッチを登場させており、このアップル・ウォッチもウェアラブル機器の中で圧倒的なシェアを取っている。アップル・ウォッチというイノベーションは、「時計とインターネットを組み合わせる」という視点で生まれている。

電話も、時計も、昔からあったものだ。

アップルはここにインターネットという異質なものをぶつけて新しいものを生み出した。世の中のイノベーションは、無から生まれるのではなく、現在すでに存在する異質で相容れないものがぶつかってできるというのが分かる。

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人工知能と何かが組み合わされる

次に「組み合わせ」の重要なコアになるのは人工知能である。人工知能は、その対象がインターネットに接続されさえすれば組み込める。何を人工知能で処理させるのか、その対象は無限にある。

グーグルやアップルやアマゾンはすでにコンピュータに質問したらコンピュータが返事してくれる「スマートスピーカー」を売り出している。これは、スピーカーと人工知能を組み合わせたものだ。

人間がスピーカーに問いかけると、スピーカーは的確な答えを返してくれる。このスピーカーはインターネットに接続されていて、インターネットの向こう側にはデータを処理する膨大なコンピュータがある。

このコンピュータには「何を質問されたのか」という部分を解析する技術と、正しい答えは何かを調べる技術と、それを音声で返す技術が組み合わさっている。その技術のコアを担っているのが人工知能である。

スピーカーと人工知能を組み合わせた、スマートスピーカーはすでに大きな市場を形成している。

スマートスピーカーはいかにも人工知能的だ。それは、とても目立つ。

しかし、人工知能はこうした「目立つ部分」だけでなく、アップルやグーグルはユーザーがスマートフォンで撮った写真を解析して美しく仕立て上げるという部分にも人工知能を搭載している。

人工知能は、今後さまざまな部分に搭載される。ヘッドフォンにもメガネにも間違いなく搭載されていくだろう。また、私たちが今は誰も気づいていない部分にも人工知能が搭載されて世の中を変えていくはずだ。

次のイノベーションは「今ある何かと人工知能を組み合わせたもの」で起きるのは確実なのだ。その「組み合わせ」で最も社会に必要とされ、莫大な利益を手に入れた企業が次の時代の巨大企業になっていく。

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人工知能と映像の組み合わせ

今後、人工知能と「あらゆるもの」が組み合わせられる。

人工知能と芸術が組み合わされて、人間が描いた絵を人工知能が高度に完成度を高めるとか、最初から人工知能がその人が求める個人的な要望を理解して描いてしまうこともあり得るだろう。

あるいは、今は俳優が演じている映画も、今後は人工知能で作られたバーチャルな俳優が組み込まれて、リアルな俳優よりもリアルな演技をして私たちを楽しませるようになっていくかもしれない。

いや、「人工知能と映像の組み合わせ」については、もっと恐ろしいことが映像の世界に起こり得る可能性がある。

たとえば今、「ディープフェイク」という超高度な合成技術がすでに実用化されている。いや、ディープと名が付いている通り、実用化というよりも「悪用化」されていると言った方がいいのか。

どういうものなのかというと、政治家や著名人に虚偽の発言をさせるフェイクニュースや、他人の顔を合成したポルノ動画などに「合成技術」が使われているのである。その合成は人工知能でより高度化して、私たちはそれが「フェイク」であることを見抜けなくなっている。

今後、もしかしたらこの「合成技術」が応用されて、映画の主人公を自分の顔、ヒロインを好きな女性の顔にして、自分の顔の主人公が映画で活躍するというようなものが一般化するかもしれない。

すでにポルノでは、既存のポルノの映像に自分の好きな女性や女優の顔をディープフェイクで合成している動画が出回っている。「人工知能と映画を組み合わせる」という点で言えば、そのような世界も将来は一般化する可能性すらもある。

人工知能はそのようなことすらもできるところにまで到達している。それが実際に流行するかどうかは別にして、そうした「人工知能と映像の組み合わせ」もまた将来は大きなイノベーションを生み出す元になり得る。

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テクノロジー・リテラシーを身に付けよ

人工知能と「何か」を組み合わせる。その組み合わせは無限である。

もしかしたら、人工知能と音楽が組み合わされて、その人が最も聞きたいパーソナルな音楽が無限に生み出される世界になるかもしれない。あるいは人工知能と文章が組み合わされて、その人が読みたい内容の小説を人工知能が作り出していく世界になっていくのかもしれない。

たとえば、恋愛小説にしても、主人公の名前を自分の名前にして、自分そっくりの主人公が物語の中に組み込まれて小説になるようなこともあるかもしれない。

しかし、上記のものは想定の範囲であって、実際には私たちが今はまったく想定していない「何か」が人工知能と組み合わせられて、それによって、得体の知れない新奇な世界が誕生することがあり得る。

今はアップルやグーグルのような巨大企業が、「スマートフォンと人工知能」「時計と人工知能」「スピーカーと人工知能」などでリードしているが、いずれは突拍子もない「組み合わせ」で巨大なヒットを生み出す企業が登場して、今のグーグルやアップルと同じような影響力のある企業へと成長していくだろう。

今はまだ「人工知能と何が組み合わされれば世界を変えるのか?」については、人類は何も分かっていない状態だ。経営者も、そしてユーザも、まだそこに気づいていない。だから私たちは未来を予測できない。

良い組み合わせもあれば、悪い組み合わせも考えられる。たとえば、人工知能と軍事が組み合わさったら、効率的に人間を大量殺戮できる脅威の殺戮マシーンすらも誕生する可能性もある。

しかし、人工知能と何かが組み合わせられて、新しいイノベーションが生まれ、そこから文明がまた大きく変化していくというのは間違いないので、私たちはそのような未来が来ると言うことを理解しつつ、自分を変えていかなければならないことになる。

人工知能は、果たして何を生み出すか。何と組み合わされて、どのような影響力を世界に与えるか。もはや、世の中を見るためには、テクノロジー・リテラシーは必須の世の中になっている。

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