インターネットを支配している「GAFA」を追い詰める7つの要因とは何か?

インターネットを支配している「GAFA」を追い詰める7つの要因とは何か?

「GAFA」を断って生きるというのは、インターネットやスマートフォンに依存して生きている人であればあるほど「難しい」と思うはずだ。「GAFA」は巨大であり、まさに現代の神である。しかし、「GAFA」は永遠なのだろうか?(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

GAFAが最強の企業ではなくなる日

「GAFA」とは言うまでもなく、グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンのハイテクの4強巨大企業を指す。インターネットやスマートフォンを公私共に使用している現代人は、それに適応している人であればあるほど「GAFA」にどっぷりと依存している。

私もまたそうだ。私はフェイスブックこそ使わないのだが、グーグル・アップル・アマゾンには深く依存しており、これらの企業の製品が明日から使えなくなったら途方に暮れる。

使うのをやめろと言われてもやめられない。ビジネスに支障をきたす前に、生活に支障をきたす。それほど依存している。

幸いにして「GAFA」は現在の資本主義で最強の経営が為されており、これらの企業はいろいろな問題を引き起こしながら、10年先も20年先も生き残り続けるだろう。そういう意味で、これらの企業が長期投資に向いているというのは事実だ。

しかし、これらの企業も常に「最強」でいられるわけではなく、いずれは力が削がれていく日がどこかで必ずやってくる。成長したら成熟し、成熟したら頭打ちになり、「老舗」として続いていく。

かつては世界最強のハイテク企業であったIBMは今もなお優良企業として生き残り続けているのだが、「最強の企業」ではなくなったのを見ても分かる通り、「GAFA」もまたいずれは最強でなくなる。

今、この時点で「GAFAが最強の企業ではなくなる」と言っても、いったいなぜ最強でなくなるのか考えてしまう人も多いはずだ。GAFAは比類なき存在であり、「神」と考える人もいるほどで、そんな企業にスキはないようにも思える。

しかし、GAFAも「一企業」である限り、いずれは最強ではなくなってしまうのは仕方がないこともである。

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独占禁止法という解体のワナ

今のところ、GAFAの経営は盤石だ。アップルも、グーグルも、アマゾンも、凄まじい売上と利益を誇っており、それが評価されて時価総額も世界最強のところにいる。この傾向はこれからも続いていくことになる。

しかし、巨大さは無限ではない。人間の身長もある時点で成長が止まるように、企業の主力製品もある時点で売上が止まる。なぜなら、消費者が有限である以上、それがリミットになるからだ。

企業が常に「多国籍=グローバル」であることを志向するのは、言うまでもなく消費者数の限界を突破するためでもある。

ある国で限界を突破したら違う国へ進出する。そこで限界を迎えたら再び違う国に進出する。そうやって地球を一周して製品やサービスを売ろうとする。だから、企業はグローバル化が宿命づけられている存在なのである。

GAFAが巨大なのは、言うまでもなく世界中にその製品やサービスを展開することに成功したからだ。

もちろん、政治的問題や経済的問題で取りこぼした国もあるのは間違いないのだが、そうした難しい国を取り込む努力をしながらも、全体的に見ればGAFAはすでに世界を征服したも同然である。

だから、すでに成長は頭打ちになっているか、もしくは頭打ちに近い状態になりつつある。さらにシェアを取ろうとすると、今度は「巨大過ぎる」として独占禁止法という解体のワナが待ち受けている。

GAFAのすべては「事業や製品ごとに分離すべきではないか」と述べる議員も出てきている。十分に巨大化したGAFAは、より巨大化できない環境になりつつある。売上も利益もこれ以上の成長はなかなか困難な部分に差し掛かっていると見てもいい。

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不安を感じさせる巨大化と影響力

しかし、企業は常に投資家によって「成長」を求められており、製品やサービスをより売り続けなければならない宿命が科せられている。そのため、GAFAのすべては多角化を成功させることを求められている。

しかし、企業が多角化するようになると、多くの問題を引き起こす。企業そのものが肥大化して判断が遅くなり、経営の焦点がぼやけるようになり、横のつながりが薄くなり、各自がバラバラに動くようになる。

巨大化すればするほど企業は小回りが利かなくなり鈍重になる。さらに、巨大化するためにスタートアップ企業を大量に飲み込んでいくので、やがて業界からイノベーションそのものが消えてしまう。

今、インターネットからイノベーションが消えつつあるのは、GAFAがあらゆる「新しい芽」を飲み込んだり、摘んだりしているからでもある。

さらに、こうした「すべてを飲み込む巨大化」は、人々の不安を掻き立てる。その不安は単なる杞憂ではなく事実である。

グーグルやフェイスブックは常にプライバシーに疑念を持たれているのだが、GAFAがすべての重要なスタートアップ企業を飲み込むようになると、GAFAの製品やサービスしか選択肢がなくなる。

そして、GAFAに自分のプライバシーをすべて握られることになる。

もし、GAFAが邪悪な存在になったら、すべてのプライバシーを握られているユーザーはひとたまりもない。逆らえなくなる。そうした事態を恐れて、プライベートなメールなどはGAFAではなく、プライバシーを強化したプロトンメールなどに移行している人もいる。

一部の人がそうしなければならないほど、GAFAの巨大化と影響力は不安を感じさせるものになっているのである。

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GAFAを追い詰める7つの要因

さらに、永遠の成長を株主に求められているGAFAは、世界中の巨大な市場に食い込むために邪悪な手段をも取るようになっていく。

グーグルは中国市場に食い込むために検索エンジンを中国政府が気に入るように改変して偏向検索エンジンを極秘に作っているのを従業員にすっぱ抜かれた。

フェイスブックも中国市場に食い入るために中国共産党政権に媚びを売って、中国の悪口を書くユーザーの投稿を消したり、アカウントを凍結するような「偏向」を見せたりしていた。

こうしたGAFAのなりふり構わない動きはますますユーザーを不安にさせ、GAFAはいったい何をやっているのか、と批判の対象にされたり悪評の元になったりする。巨大化するために邪悪さを要求され、邪悪になれば悪評が広がる。

それが今のGAFAに起きている。

そして、GAFAがいつまでも君臨していると、人々はだんだん自分たちがGAFAに支配されているという気持ちを強めていき、新しいものを求めるようになる。GAFAがいかに優れていて、より優れた製品を出したとしても、新鮮ではないので熱狂してくれなくなるのである。

人々は「GAFAではない何か」が欲しいと思うようになる。それが次のパラダイムシフトを引き起こす。パラダイムシフトは往々にして支配している企業の反対方向に走るのだ。

その結果、GAFAの経営はますます難しくなり、巨大化・多角化・売上至上などのプレッシャーで経営上のミスも連発するようになる。それが続いていくと、いつか「最強の企業」でなくなっているということになる。

1. 巨大化
2. プライバシー
3. 悪評
4. 偏向
5. 新しいものを求める人々の気持ち
6. パラダイムシフト
7. 経営のミス

インターネットを支配しているGAFAだが、このGAFAを追い詰める7つの要因はすでにゆっくりと忍び寄っているように見える。GAFAは忍び寄る問題をうまく解決することができるのだろうか。(written by 鈴木傾城)


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