日本でメガバンクも地方銀行も凋落していくと、次に何がやってくるのか?

日本でメガバンクも地方銀行も凋落していくと、次に何がやってくるのか?

日本は銀行でも郵便局でもそうだが、金融機関で何らかの手続きをしようと思ったら、紙に自分の住所・氏名・生年月日・口座番号等々をすべて手書きで書いて、最後にハンコを押して、行員が処理するのをじっと待っていなければならない。

同じ銀行で違う処理を頼むと、また一から住所・氏名・生年月日・口座番号等々を延々と書いてまたハンコを押して提出する。

目の前にいるのが本人なのかどうかを確認しなければならないので、そんな面倒なことを顧客に強いている。

もし犯罪者が本人に「なりすまし」しようと思ったら、住所・氏名・生年月日・口座番号くらいは覚えているし、ハンコを無断で持ち出されたら、本人ではなくても本人として扱わなければならない。

銀行が10年1日のごとくやっている本人確認の作業は、大してセキュリティが高いわけでも何でもない。紙に住所を書かせてハンコを押してそれを確認するような作業は、はっきり言って昭和の遺産みたいなものである。

指紋認証、虹彩認証、音声認証、スマートフォンと連動した認証等をうまく組み合わせて迅速かつ高度なシステムを組み入れるのは可能だが、従来の金融システムはそうした効率化をやって来なかった。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

どのメガバンクも減益

しかも、銀行はいまだに紙幣や小銭を扱っていて、紙を「1枚2枚」と数えて商売をしている。日本の高齢者は高齢者で「キャッシュレスとかは分からないし不安だから紙の紙幣の方がいい」と言って現状維持を迫る。

そんな状態だから、日本の銀行は化石みたいなビジネスを強いられてコストばかりが増えている。

低金利でカネを回して稼ぐこともできず、決済ビジネスもシステムに強いIT企業に根こそぎ持っていかれ、融資に関しても今後は人工知能に仕事を奪われて旧態依然とした銀行は敬遠されていく。

ビジネスもシステムも古臭くなった日本の銀行は、外国に打って出ても競争に勝つことができない。かと言って、日本に閉じこもっても、少子高齢化によって内需が減退していくばかりであり展望もない。

日本には、メガバンクが3つある。

「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「三井住友フィナンシャルグループ」、そして「みずほフィナンシャルグループ」である。

2019年5月に、これらのメガバンクの3月期の決算が発表されているのだが、どのメガバンクも減益で状況は芳しくない。みずほFGは特に悲惨なことになっていて、純利益が前の年を83%下回る大幅な減益となっている。

それで、どうするのか。もちろん、銀行員を人員削減するのである。窓口も削減されるし、ATMも削減される。街からどんどん銀行が消えていく。ここ数年、銀行はずっとこんな調子なのである。

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高齢者がキャッシュレスを許さない

銀行は紙幣や小銭を捨てたがっている。そして、コストがかからないキャッシュレスに移行したがっている。

それもそうだ。金融は数字なのだが、数字はテクノロジーと相性が良い。すでに世界はキャッシュレスが定着しているのを見ても分かる通り、もう今さら現金を物理的に数えるような時代ではなくなっているのである。

時代はキャッシュレスに突き進んでいる。

ところが日本では高齢者がキャッシュレスを許さない。そんなことをされたらカネの扱いがまったくできなくなってしまうからだ。非効率はまかり通り、それが効率化を阻害してしまっている。

だから、「少子高齢化が銀行を潰す」と言っても過言ではない。このままでは、日本の銀行はどんどん世界の潮流から取り残されてしまい、じり貧になっていく。

ちなみにじり貧になっているのはメガバンクだけではない。地方銀行はもっと悲惨な目に遭っている。非効率な経営に、少子高齢化と人口減少が直撃して収益悪化が進んでいき、このまま手を打たないと地方銀行は約6割が赤字になって消えていく。

人口も増えない国では預金も増えない。融資も増えない。不動産価格も減少していく。日本は地方から壊死していくのだが、地方が壊死していくのであれば、地方銀行も一緒に壊死していく運命でもある。

最近、スルガ銀行がシェアハウス投資で乱脈融資をして一気に業績悪化、経営再建ができるのかどうかすらも分からないほど瀬戸際に追い込まれている。

スルガ銀行が資料を偽造するなど、銀行としてあるまじき言語道断の不正に手を染めるようになったのも、地方銀行が「そうでもしないとじり貧で首が絞まる」からだった。

無謀な不正は、「何かしないと死ぬ」という焦燥から始まっていたのだ。

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金融も外国資本に利益を奪われるか?

政府は、真剣に少子高齢化も人口減も解決しようとしていない。そのため、これからもどんどん少子高齢化は進んでいく。

地方から死んでいくということは、地方は目も当てられないような悲惨な光景が現れてくるということを意味している。(マネーボイス:日本人は地方を見捨てるのか。2024年、少子高齢化で認知症が這い回る地獄絵図となる=鈴木傾城

このまま突き進むとどうなるのだろうか。

すでにメガバンクの時代でも地方銀行の時代でもなくなっているのだが、こうした旧態依然とした銀行の地盤沈下はさらに進む。

そして、これから影響力を持っていくのは、最初から店舗を持たずに合理的かつ効率的に経営している銀行になっていく。

スマートフォンのアプリが店舗代わりとなり、インターネットですべてを完結し、キャッシュレスに焦点を絞り、営業はメールやSNS、そして融資相談はAI(人工知能)が行うようなモダンなシステムを構築できた銀行が下剋上する。

これらの銀行は今、「ネット銀行」と呼ばれている。日本では、じぶん銀行、セブン銀行、ローソン銀行、ジャパンネット銀行、楽天銀行……と次々と生まれてきているのだが、こうした銀行の中で、最も効率的な銀行が勝ち上がり、やがてはメガバンクに代わって主流となっていく。

それと同時に、遅かれ早かれネット銀行のスタイルを持った、より効率的で莫大な資金を持った外国の銀行も乗り込んでくる。

今、より多くの収益を求めて、アマゾンやアップルが銀行業務に乗り出すのではないかと言われているが、これらのハイテクの巨人が「銀行」になったら、そのシステムとスケールと規模に敵う日本の銀行はなくなる。

外国の銀行が、日本国内で大きなシェアを持つようになっても不思議ではない。

現在の日本はハイテク産業の大部分はアメリカのハイテク産業に利益を奪われているが、今後は金融も外国資本に利益を奪われていく構図になったとしても私は驚かない。

ちなみに、外国は「アメリカ」だけではない。日本を支配するのは、大量に入り込んでくる中国人と共に、知らない間に日本に定着する「中国」の銀行かもしれない。(written by 鈴木傾城)

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すでにメガバンクの時代でも地方銀行の時代でもなくなっているのだが、こうした旧態依然とした銀行の地盤沈下はさらに進む。そして、これから影響力を持っていくのは、最初から店舗を持たずに合理的かつ効率的に経営している銀行になっていく。

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