「GAFA」という現代の神は、巨大になりすぎて今ひとつの転機に立っている

「GAFA」という現代の神は、巨大になりすぎて今ひとつの転機に立っている

私たちは誰もが、グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンという4強の製品やサービスを便利に使っている。全世界の人間が、この4つの企業に生活を委ねていると言っても過言ではない。

この4強のことを、それぞれの頭文字を取って「GAFA」と呼ぶのがならわしになっているのだが、GAFAの強大さはこれからずっと続く可能性が高い。

なぜなら、もはやこれらの企業のスケールに太刀打ちできる企業は世界中どこにも存在しないからである。

もちろん、このGAFAと言えども一企業に過ぎないので、その地位は別に将来永劫に約束されたものではない。場合によっては、たったひとつの経営者の判断ミスで一気に吹き飛んでしまう可能性もゼロではない。

しかし、世界最強の経営者と技術者と開発能力を持つ企業が、そう簡単に吹き飛ぶことはないというのも事実だ。フェイスブックは数々のミスやスキャンダルを連発しているのだが、それでも独占的地位はまったく揺らいでいないのを見ても分かる。

これらの企業は、まだ当分この世を支配する。しかし、永遠ではない兆しもまた生まれてきている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

これらの企業を「神」と呼ぶ人も

これらの企業が巨大化し、あまりにも私たちの生活に浸透しすぎ、私たちがドラッグ依存者のようにこれらの企業に依存することによって、少しずつユーザー側の意識が変容しつつある。人々はこのように思うようになっているのだ。

「しまった。知らないうちに囲いこまれてしまった……」

今や誰もがアップルのスマートフォンでグーグルのメールサービスや検索エンジンや地図を使い、フェイスブックで友人たちと連絡を取り合い、アマゾンで買い物をしている。

そして、もうそこから離れようと思っても離れられなくなってしまっていることに気づく。アップルのスマートフォンが嫌だからと、アンドロイドのスマートフォンにしたとしても、アンドロイドの開発元はグーグルである。

グーグルの検索エンジンが嫌だからと他を探しても、グーグルに匹敵するほどの驚異的な検索エンジンは存在しない。フェイスブックが嫌だからと他の会社のSNSにしても、人が少なければ結局はフェイスブックに引き戻される。

アマゾンが嫌だから他のショッピングモールにしたとしても、品揃えの豊富さや付随するサービスの広さで見るとアマゾンに敵うものはないので、再びアマゾンに戻ってしまう。

実質的にGAFAの代替は存在しないところにまで到達している。ハイテク産業はもうGAFAを無視することなどできない。今ではこれらの企業を「神」と呼ぶ人すらも出てきているほどだ。

ふと気付いたらGAFAに深く関わりすぎたことを知って、私たちは少しずつ彼らのビジネスに囲まれてしまったことを認識するようになり、彼らがまるで私たちから税金を取り上げているように思うようになりつつある。

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悪魔がすべての個人情報を掌握する?

GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)が「現代の神」だというのは、あながち嘘でも比喩でもない。

「神は私たちのすべてをお見通しの存在」というのであれば、確かにGAFAは私たちのすべてを知っているではないか。

彼らは今でこそ「善意」の存在であったとしても、もし邪悪(Evil)な精神を持ったCEO(最高経営責任者)がここから登場したら、このCEOは全世界を征服するほどの権力を行使して自ら世界の支配者になろうとするかもしれない。

アップルのティム・クックCEOは、現在は世界で最も傑出したCEOであり、その道徳性はまさに人格者と言っても過言ではないほど立派だ。

しかし、ティム・クック氏がいつまでもCEOでいられるわけではなく、アップルも変わっていく。そうならないとは誰も言えない。そうなったらどうするのか。「現代の神」は「現代の悪魔」になってしまうことも想定しなければならない。

悪魔が私たちのすべての個人情報を掌握することになる。

そうした危険は今はまだ小さな不安の段階なのだが、人々は確実にそれを意識するようになってきている。

そうであれば、傑出した起業家が傑出した製品やサービスで台頭して新たなイノベーションを起こせばいいのではないか、という話になっていくのだが、実はその芽を摘むのがGAFAであったりする。

GAFAは圧倒的な資金を保有している。そのため、傑出した製品やサービスを生み出す小さな企業や経営者があったら、それを莫大な資金で一気に吸収して自分たちのものにしてしまうのである。

素晴らしいイノベーションは吸い上げ、そうでないイノベーションは掃き捨て、自分たちの都合の良い世界を維持し続ける。

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GAFAもひとつの転機に立っている

もうすでにGAFAが「巨大化しすぎた」のではないかと考える人々も増えてきている。このままでは私たち自身にも、世界のイノベーションにも良くないと考える人たちも声を上げるようになってきている。

民間からも「GAFAの支配は技術革新を停滞させる」と述べる人も増えてきたし、政治の世界からも「GAFAの支配を何とかすべき」という声が上がるようになった。

その先頭に立っているのは、2020年の大統領選挙に出馬することを表明している民主党の有力議員エリザベス・ウォーレン上院議員である。彼女は明確にこのように言っている。

「次世代の技術革新を生み出すためには、現世代の巨大テック企業を解体する必要がある」

GAFAはすでに単独の製品やサービスだけを提供しているのではなく、あらゆる方面でその影響力を行使している。

アップルも「スマートフォンだけの企業」ではなく、音楽・雑誌・テレビ・映画の提供から、金融の分野までを網羅して「サービスの企業」に変化しようとしているし、グーグルもアマゾンも、それぞれ広範囲に事業を拡大している。

だから、それぞれを分割して再び世界にイノベーションを生み出して、次の世代をより多彩なものにしようと言うのがエリザベス・ウォーレンを初めとした「GAFA分割論者」の主張している内容だ。

この主張が世界に広がって大きなものになっていくか、それとも人々は相変わらずGAFAの巨大さに不安を抱きつつ「特に変える必要はない」と思うかは分からない。

しかし、そのような声が出始めているということは、GAFAもひとつの転機に立っていると考える必要がある。今すぐどうなるというわけではないのだが、10年後はGAFAの時代ではなくなっていたとしても不思議ではない。(written by 鈴木傾城)

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もうすでにGAFAが「巨大化しすぎた」のではないかと考える人々も増えてきている。このままでは私たち自身にも、世界のイノベーションにも良くないと考える人たちも声を上げるようになってきている。そろそろ、GAFAもひとつの転機に立っていると考える必要がある。

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