アメリカの成長を自分の中に取り込めるかどうか。それが将来の運命を決める

アメリカの成長を自分の中に取り込めるかどうか。それが将来の運命を決める

10年20年、いやそれ以上の長期投資をしようと考えると、中国の時代が来るとか新興国の時代が来るというような国際評論家の言葉に幻惑されるより、さっさとアメリカに賭けた方が勝てる確率が高い。

一時期、ブラジルに投資するのが流行ったが、「ブラジル含むラテンアメリカが次の世界の頂点に立つ」などと思えるだろうか。一時的に、投資資金が流れて浮いた利益が手に入るかもしれないが、タイミングを間違うとすべて吹き飛ぶ。

中国はどうか。中国にしても、オリジナルやイノベーションを尊ぶ文化ではないというのは誰が見ても明らかだ。時の政権の都合の悪いイノベーションはすべて叩き潰され、言うことを聞かない経営者は逮捕されてしまうような国に長期投資しようと考える方がどうかしている。

日本とアメリカではどうか。日本は素晴らしい国だが、それでも世界をリードしているのはどちらなのかと言われればアメリカの方であると誰しもが認めざるを得ないだろう。

だとすれば、長期視点に立って株式に資金を投じようと考えているのであれば、アメリカに投資しなければならないというのがすぐに理解できるはずだ。それなのに、なぜ私たちは中国だ、新興国だと惑わされるのか。もちろん、それには理由がある。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

どこの国よりも「まだ有利である」国

人々が中国や新興国に投資していたのは、「成長率」が高かったからである。

アメリカが3%の成長率である時に、中国が7%以上の成長率を誇っていたら、中国に賭けた方が「短中期」的には得する。だから、人々は新興国に投資した。

しかし、高度成長はいつまでも続くものではない。その時代が終わったら、今度はイノベーションやオリジナルで、着実な成長ができるかどうかが問われるようになっていく。

イノベーションがどんどん生まれて社会を変えることができれば、新興国から先進国に脱皮していくことになるが、できなければ新興国のまま足踏みすることになる。

その変革の際に重要なのは、「その国はオリジナルやイノベーションを生み出せる体質になっているか」ということであるが、中国は果たしてどうなのだろうか。この国の国民や企業は、オリジナルやイノベーションを重視して、世界を変えていく力があるだろうか。

残念ながら、中国にはそんなものはどこにもない。だから、長期的に見ると中国は停滞し、場合によっては沈没したとしても不思議ではない。

「比較」して見ると、むしろ政治的に混乱しているアメリカの方が、世界中のどこの国よりも「まだまだ有利である」ということが分かる。

確かにアメリカの政治は混乱の極みにある。ドナルド・トランプ大統領は常に対立を巻き起こして落ち着かない。さらに国民の格差は苛烈なまでに拡大しており、国民はそれほどうまく言っているとは思えない。

しかし、それでも世界全体を見回すとアメリカほどパワーと影響力とイノベーションを持った国が見当たらない。今後も数十年に渡ってこの状態が続くはずだ。

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長期投資する上で重要なのは?

ドル建てで、アメリカに投資する。どのみちグローバル社会から逃れられないから、それを利用するのが賢い。

リーマンショック直後はかなりの安値でアメリカに投資することができたが、現在のアメリカの株式市場は「高い」のか「安い」のか。

アメリカの株式市場が高いか安いかを見るのにはいくつもの指標があるのだが、そのうちのひとつは「バフェット指数」である。

これは、「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」で表す指数なのだが、これを見るとアメリカの株式市場は2017年以後はかなりの高値水準にあることが分かっている。2018年の後半は急激に下がっていく流れがあったのだが、2019年に入ってまた盛り返して高値圏に入った。

もうひとつ、アメリカの景気動向を見るのに参考にされるのがCAPEレシオ、通称「シラーPER」と呼ばれるものである。株式市場の長期的な評価を見るもので、長期投資家にはお馴染みのものだ。

これを見ると、2019年4月18日は30.62ポイントにあり、教科書的な見方を言うと「やや高い」ということになる。

つまり、現在は現金をすべて投じてアメリカ市場に上場している株式やETF(上場投資信託)をフルインベストする時期ではない可能性がある。やや、高値圏だ。

では、下がるまで何もしないでいいのかというと、タイミングを計っているといつまで経っても買えないという状況になる。

だとしたら、資金を分散して、長期に渡って継続して株式を買っていくというやり方に帰結することになる。

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それが、資本主義での運命を決める

きちんと成長し続ける環境であると判断ができれば、それほど安いタイミングではなくても投資しておいて問題はない。タイミングを計るのは得策ではない。

何しろ株式市場には、プロから個人まで、ありとあらゆる立場の人間がなだれ込んで来ており、最近ではプログラミング化されたコンピュータまでがそこにいる。

そのすべてが「微妙に違う判断」で投資をしているわけだから、私たちがタイミングを見計ろうとしてもうまくいかない。考えても答えはない。

だとすれば、私たちにとって大切なことは、投資タイミングを過度に追い続けるのではないことが分かるはずだ。

買い時の機会を待つこともできるが、良い機会がいつ来るのか分からないから、「ほどほどの値段」であれば、別にいつでもいいということになる。

今すぐ一気に投資しても、少しずつ投資したとしても、将来的には企業が成長しているというのであれば「投資し続ける」ということが正しいということになる。

現在、アメリカの株式市場は高値にある。しかし、アメリカは年3%の成長を確実にこなしており、イノベーションもオリジナルの追求も廃れていないのだから、今後も成長し続けることが約束されている。

アメリカの多国籍企業や市場には楽観的であっても構わない。

今後アメリカの株式市場が波乱に巻き込まれて暴落したとしても、それは一時的な調整であると考える方が正しい。調整があったあとは株は必ず回復し、さらに上を向けて動いていく。

アメリカの成長を自分の中に取り込めるかどうか。それが将来の運命を決める。(written by 鈴木傾城)

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