平均値では、ギャンブルを覚えてから破綻するまでに20年近くの期間がある

平均値では、ギャンブルを覚えてから破綻するまでに20年近くの期間がある

分別ある大人を狂わせてしまうものは主に3つある。アルコール、セックス、そしてギャンブルである。この3つはいずれも強い快楽と依存を生み出す。

この3つはすでに「のめり込めば危ない」「下手したら人生が破滅する」というのは最初から誰でも知っている。

にも関わらず、のめり込んでしまうというのは、いったん深みにハマると「それは理性で止められなくなる」からである。本人も深みにハマっていることを自覚していて、「このままでは人生が破滅する」と思っても止められない。

人間が動物と違うのは理性があるか否かである。動物は本能のまま生きていけばいいが、人間は理性を持って行動しなければ社会から逸脱して生きていけなくなる。

アルコール、セックス、そしてギャンブルは、それに溺れると理性を破壊してしまい、もはやブレーキが効かなくなってしまうのだ。

つまり、これらの3つは「ドラッグ」と呼んでも過言ではない。扱いを間違うと人生を破滅させてしまう。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

人生の最も重要な時にギャンブルで消耗する依存者

ギャンブルは、それがどんなものであれ強烈な依存を生む。その依存の強さはドラッグに比類する。

日本はすでに公営ギャンブルから違法ギャンブル、あるいは合法なのか違法なのか分からないようなギャンブルまでが揃っており、ギャンブル依存症は約500万人と言われている。

一度それに囚われてしまうと、それを見ないでやり過ごすということができない。

衝動が抑えきれない。空腹の人の目の前に食事を並べているのと同じで、依存症になるとなりふり構わなくなってしまうのである。

その結果、依存者はどんどん金をそこに注ぎ込み、足りなくなると借金をしてまでギャンブルにはまっていく。

貯金を食いつぶし、友人に金を借り、親に金を借り、どうにもならなくなってもまだ止められない。嘘をついてまで金を借りる。そして、生活が破綻するまでその状況は続く。

よく、どこかの会社の経理の人間が会社の金を横領して問題になるが、逮捕されたときその多くが「ギャンブルに使った」と横領の動機を述べる。

専門医によると、ギャンブルを覚えてから深みにハマっていった人間が借金をするようになるのは、だいたい7年から8年の期間がある。

そして、借金地獄に陥ってギャンブル依存症として医師の診断を受けるようになるまで、さらに10年の期間がある。

もちろん個人差はあるのだが、ギャンブルを覚えてから破綻するまでに20年近くの期間があるというのが平均値である。

普通の人がギャンブルを覚えるのは20歳頃が一番多いので、20歳でギャンブルを覚えて40歳頃に人生が破滅するのだから、多くのギャンブル依存者は人生の最も重要な時にギャンブルで消耗していたということになる。

40歳あたりで人生が破滅したら、そこから人生をやり直そうと思っても、なかなか難しいし厳しい。そもそも、人生がやり直せるかどうかも難しい。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

一般の人をギャンブルに巻き込む世界

ギャンブル依存症になると脳が変わる。長くギャンブルをやって、その興奮がずっと維持されると、脳がギャンブルしている状態に最適化されるようになり、朝から晩までその興奮を求めるようになっていく。

そして、その興奮のためにはすべてを犠牲にしても何とも思わなくなってしまうのである。

いったん脳がギャンブル依存に作り替えられると、もう意思の力ではどうにもならなくなっていくのだ。

分別の付いているはずの大人が、すぐにバレるのを承知で自分の会社の金を横領してそれに注ぎ込んでしまうのも、もはや自分で自分をコントロールできなくなっているからだ。

ギャンブル依存症になるというのは、有り金をすべてそこに注ぎ込むだけに生きる「奴隷のような存在になる」ということなのだ。

そんな危険なものが日本の社会で野放しにされたままであり、さらにカジノまでできるのだから、長い目で見ると、日本社会が憂慮すべき状態になってしまうのは誰もが指摘するところでもある。

ただ、わざとカジノを辺鄙なところに作り、そこをカジノ特区として囲い込んで隔離し、一般社会にはむしろ街に溢れたギャンブルを徹底的に取り締まっていくという方向であれば、それはむしろ正しい。

世の中はどんな時代でも一定数のギャンブラー気質の人間がいて、彼らは公営だろうが闇だろうがギャンブル依存に堕ちる性質がある。

こうした人間たちを囲い込んで、一般社会でのギャンブルは認めない方向に持っていければ、特にギャンブルをしたいと思っていない一般の人をギャンブルに巻き込むのを防止できる。

しかし、街中にあるパチンコのようなギャンブルを放置したまま、新たにカジノまで作ってギャンブル国家にしてしまうのであれば、日本には未来はない。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

「希望を取り上げる」から憎い?

ギャンブルはどこの国からも消すことはできない。先進国だろうが後進国だろうが、ギャンブルをする男たちの姿は恒常的に見られる。

何も持たない貧困層がなけなしの金を持ってギャンブルに高じる姿もよく目にする。

普通に働いていても金持ちになる確率はゼロに近い。しかし、ギャンブルは違う。確率的には少なくても「一発大逆転を成し遂げられるかもしれない」という一縷の望みがそこにある。

場合によっては、一瞬にして大金持ちになるかもしれない。学歴も、職歴も、知的レベルも、容姿も、年齢も、犯罪歴も、性別も、人種も、出自も、まったく何も関係ない。ただ「運」さえ良ければ、大金持ちになれるかもしれない。

毎年、当たりもしないのに「買わなければ当たらない」と宝くじを買い込む人たちもいるが、ギャンブル依存症はその積極版であると言える。「打たなければ当たらない」ので、彼らはギャンブルをするのである。

「もしかしたら、勝てるかも。次こそ勝てるかも」と彼らは細い希望をそこに見出して、祈りながら金を賭ける。

ギャンブルにのめり込んでしまった人からギャンブルを取り上げるのは、夢と希望を取り上げるのと同じなのである。

ギャンブルにハマった夫を止める妻がしばしば家庭内暴力の対象になるのは、自分から夢や希望を取り上げる妻が憎いからだ。夢を叶えてくれるかもしれないギャンブルよりも、絶望しかない現実に引き戻す妻の方が憎い存在と化す。

ギャンブル依存症になると、もはやまわりの人がそれを止めようと説得しても無駄だ。依存症の専門医に診せても治るかどうかは分からない。

ギャンブルとはそれほど人間を狂わせてしまうものなのだ。もし自分が今の時点でギャンブルにハマっていなければ幸運だ。今後も避け続けた方がいい。のめり込む気質を持った人は、そこから戻って来られない可能性がある。(written by 鈴木傾城)

このサイトは鈴木傾城が運営し、絶えず文章の修正・加筆・見直しをしています。ダークネスを他サイトへ無断転載する行為は固くお断りします。この記事の有料転載、もしくは記事のテーマに対する原稿依頼、その他の相談等はこちらにメールを下さい。

ギャンブル依存症になると、もはやまわりの人がそれを止めようと説得しても無駄だ。依存症の専門医に診せても治るかどうかは分からない。ギャンブルとはそれほど人間を狂わせてしまうものなのだ。もし自分が今の時点でギャンブルにハマっていなければ幸運だ。今後も避け続けた方がいい。のめり込む気質を持った人は、そこから戻って来られない可能性がある。

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

ギャンブルカテゴリの最新記事