「借金は他人への支払い。貯金は自分への支払い」と言う言葉を噛みしめよ

「借金は他人への支払い。貯金は自分への支払い」と言う言葉を噛みしめよ

生活苦に追い込まれて自殺まで考えなければならなくなる人の多くは、「金がない人」というよりも「借金がある人」である。どちらも「金がない」という点では同じだ。しかし、この2つは似ているようで違う。

借金があるというのは、期日に追われているということであり、その期日は自分の都合で待ってくれないものである。

「金がないから食事を我慢する」とか言ってられない。

自分を犠牲にしても、金を集めなければならない。それが借金の正体だ。どうしても何とかしなければ、自分の生活そのものが崩壊してしまう。今の生活がすべて吹き飛んだ挙げ句、さらに社会的な制裁も受けなければならない。

最近は簡単に「自己破産すればいい」「返せない借金は返さなくてもいい」と言われるのだが、金が絡むと貸した方もまた必死になって取り立てるので、そう簡単にはいかない。

そもそも「浪費」で蕩尽して返せない借金は、自己破産すらも認められないケースがほとんどだ。踏み倒すにも相当な覚悟がいる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

日本人が借金をする理由・上位10項目

借金と言っても、その内容は様々だ。住宅ローンや事業への投資など、将来に見返りがある計画的な借金は「良い借金」である。それは、借金というよりも、むしろ「投資」という言い方もできる。

しかし将来の見返りがなく、「今の楽しみ」のために行き当たりばったりにする借金は「浪費」のための借金である。それは誰が見ても悪い借金だ。

日本人は堅実だと言われている。それでも貸金(かしきん)業が成り立っているのを見ても分かる通り、借金を抱えている人はどこにでもいる。ところで、日本人はどんな時に借金をするのだろうか。

日本には、消費者金融、クレジット業、事業者金融等が加盟している「日本貸金業協会」というのがある。

この協会が出している「資金需要者等の現状と動向に関するアンケート調査結果報告」統計を見ると、日本人が借金をする理由がまとめられている。

理由は多重なので合計して100%にはならないのを注意して、上位10項目を見ると、以下の通りとなっている。

(1)趣味・娯楽(レジャーや旅行を含む) 47.9%
(2)食費 22.9%
(3)納税・給付 12.7%
(4)家賃支払い 12.3%
(5)衣料費 12.2%
(6)授業料・保育費・給食費等 11.8%
(7)電気・ガス・水道等の光熱費 11.5%
(8)自動車ローンの返済 10.9%
(9)ギャンブル 10.1%
(10)衣料費 9.9%

これを見ると面白いことが分かる。2位以下は、確かに生活苦からの借金を窺わせるものである。食費が出せなくて借金をする人が約23%近くもいるのだが、いかにも生活に困窮しているようなイメージが浮かび上がる。

しかし1位はそうではない。

47.9%は「趣味・娯楽・レジャー・旅行」等のお遊びである。「今の楽しみ」のために行われる借金であり、本来であれば我慢すべきところで金を借りているということだ。

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自転車操業にまで突き進む

借金をするというのは、「それを支払う金がない」ということなのだが、金のない人が金を借りると、ただでさえ苦しい生活がより苦しくなっていく。

これを打開するには「収入を増やして支出を減らす」という2点を実現しなければならない。収入を増やすというのがなかなか難しいことであるとするならば、かなりの気合いを入れて支出を減らす必要がある。

支出を減らすと言えば、「趣味・娯楽」は真っ先に切り捨てて我慢すべきカテゴリーに入る。

ところが、日本貸金業協会のデータを見ると、逆にその真っ先に切り捨てなければならないものが、最も上位に来ているという皮肉な結果となっている。

これが「浪費で蕩尽して返せない借金」になる可能性が高い。なぜなら、「趣味・娯楽」はそれが後になって利益をもたらすことは基本的にないからだ。使ってしまえば、それで終わりなのである。

ところが、借金返済は遊び終わったところから始まっていく。これが心理的な負担になるのは明らかだ。

借金地獄に陥る人の特徴は、「支払いが少額ならすぐに返せる」という甘い見込みがあるからだ。たとえば、「海外旅行に行くのに10万円借りた。月々の返済は1万円程度」という条件を見ると、月1万円くらいの返済など大したことがないと考える。

だから、「それなら借りよう」と軽く決断することになる。確かに少額であれば破綻しないはずだ。普通は、地道にやっていれば返せる。それなのに、なぜ少額の借金が命取りになってしまう人がいるのか?

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「貯金は自分への支払い」という言葉

それは、借金を返し終わる前にまた新しい借金をするからだ。まだ返している途中なのに、もう次の借金をしてしまう。抱えている借金が少額であればあるほど心理的なハードルが低い。その分、新しい借金をしやすい。

しかし、人生は常に順調とは限らない。逆風はいつでも吹くし、唐突にトラブルが湧き上がる。そのため、返せると思った借金が返せなくなることも起きる。そうすると、どうするのか。

借金のための借金をするようになる。

それが積もると一ヶ月4万円、5万円の支払いとなり、やがて首が絞まっていく。いったん借金癖に堕ちると、次第に返せなくなるという現実がのしかかり、借金を借金で返すような自転車操業にまで突き進む。

最初は「趣味・娯楽」で利用していた借金は、やがて食費、家賃、衣料費、光熱費の支払いにまで広がっていくのである。

ただ「生活できなくなった」のであれば、安いアパートに引っ越して安い食材で耐えていれば何とかなるかもしれない。しかし借金があれば、まずは返さないといけないので生活を立て直すということができない。

こうしたトラブルに巻き込まれたくなければ、「趣味・娯楽」の借金はしないというポリシーを自分に持つ必要がある。そして、当たり前だが、収入以下の暮らしをして、余ったお金はきちんと貯金していれば借金の自転車操業に見舞われるようなことは滅多に起きない。

面白い言葉がある。「借金は他人への支払い。貯金は自分への支払い」というものだ。

借金は他人に支払って利子まで取られて戻ってこない。貯金は自分に支払って利子まで付いて戻ってくる。同じ支払いをするのであれば、貯金をして自分に支払って、将来取り戻した方が合理的だ。

下手に借金を抱えて苦しみ、自殺を考えるほど追い込まれるのは生き方が間違っているとも言える。「金がない」だけなら何とか凌げるが「金がない上に返せない借金まである」というのは最悪の結末を招く。(written by 鈴木傾城)

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面白い言葉がある。「借金は他人への支払い。貯金は自分への支払い」というものだ。借金は他人に支払って利子まで取られて戻ってこない。貯金は自分に支払って利子まで付いて戻ってくる。同じ支払いをするのであれば、貯金をして自分に支払って、将来取り戻した方が合理的だ。

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