「5G」と「IT」が生み出す「次の巨大パラダイムシフト」を生き残るために

「5G」と「IT」が生み出す「次の巨大パラダイムシフト」を生き残るために

通信が「3G」になった時、人々の間に携帯電話が爆発的に流行して時代は一気に変わった。そして通信が「4G」になった時、今度はスマートフォンが爆発的に流行してまたもや時代が一気に変わった。

そして、これから「5G」の時代に入る。(フルインベスト:100倍の通信速度と1000倍のトラフィックを扱う5Gが社会を激変させる

「5G」が社会に本格的に普及するようになると、今の私たちが想像していない何らかのパラダイムシフトが起きて社会を大きく変革するのは間違いのない事実だ。

そして、このパラダイムシフトは様々なイノベーションで重層的になる。インターネットは動画が主流になり、人工知能はより高度化してあらゆるシステムに取り込まれていき、ロボット化が促進され、ドローンや自動運転が流通を変え、3Dプリンターが製造業を変え、ブロックチェーンが金融を変える。

「5G」というパラダイムシフトと、ITが生み出すイノベーションの2つが融合するのは2020年代なのだから、当然のことながら、この年代では社会が変わると共に「職業」も変わっていく。

変革を余儀なくされて消えていく職業と、新しく生まれる職業に分かれる。消えていく職業に就いていた人は、右から左に新しい職業に就けるわけではない。取り残される人も大勢出てくる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

「雇用を排除する」システム

言うまでもないが、高度情報化社会の中で有利なのは「ITに対して高度な知識や技術を持ち合わせている人材」である。あるいは、「ITを駆使して仕事ができる人材」や「インターネットで何かを生み出したり、表現できたり、運営できたりする人材」である。

企業が必要とするのも、こうした人材である。逆に言えば、高度情報化社会の中でインターネット・テクノロジーに疎く、何も分からず、理解することもなく、高度に使うこともできない人材は、雇用から排除されていくことになる。

高度情報化社会は世の中がより効率化するということなのだが、世の中が効率化すると無駄な人材は人工知能やロボットに置き換えられていくわけで、雇用の排除が起きるのは自明の理だ。

今でも、世界的に「雇用の減少」と「中間層の没落」と「若者の失業率の悪化」が同時並行で起きているのだが、この3つは別々の現象ではない。

1990年代から確実に広がっていったインターネットは、2000年代に入ってから爆発的に企業内に浸透して、ついにはインターネットそのものが企業活動の中心となっていった。このインターネットもまた「雇用を排除する」中心的な存在であったのは誰もが知っている。

現場で起きていることはイントラネット(企業内ネットワーク)で上層経営者が直接把握できるようになり、それによって迅速で的確な分析が可能になり、効果的な手が打てるようになっていった。

情報の流れが速くなり、一元化されるようになった。その中で企業内に必要だった中間管理職が不必要になり、また中間管理職を補佐する社員もまた不要になっていった。

本来、こうした中間管理職こそが社会の中間層だったのだが、こうした人々が没落していったのは、「企業が不要だと判断して解雇した」からだ。「4G」というパラダイムシフトとスマートフォンというイノベーションでも、こうした現象が顕著だったのである。

次の「5G」というパラダイムシフトと新しいイノベーションでも、そうした現象が起きるのは当然のことだ。

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インターネットの産業破壊

2000年代から本格的にインターネット時代になったとき、インターネットの波に乗れない企業はことごとく没落していった。インターネット化とは「アナログがデジタル化していく流れ」のことだった。

その中では、デジタル化することを拒絶してアナログに固執していた企業や、構造的にアナログでビジネスモデルが構築されていた企業が次々と没落していったのだ。

たとえば、紙の媒体に依存していた新聞社・出版社は、全世界で一気に経営破綻に向かっていったし、紙の媒体を売る出版社や書店という存在もまとめて危機に瀕した。

彼らは必死になってインターネットに対応しようとしたが、ビジネスモデルの比重が紙媒体に偏重しているので、うまく立ち回ることができなかった。

これらの没落した企業に変わって成長していったのは、インターネット化に対応してコンテンツを押さえたグーグル社や、流通を押さえたアマゾン社や、インターネットを見るための機器を押さえたアップル社だった。

流通に関しても、デパートのような業態は、アマゾンのようなネットショップの隆盛によって駆逐されて、中途半端なショッピングモールは次々と破綻していく憂き目にあった。

アナログに固執するビジネスモデルを持つ企業が生き残るというのは、とても難しい時代になっているのである。では、そこで働いている人たちはどうなったのか。

どうしようもない。いくら、その業界に長い経験があったとしても、インターネットに駆逐されてしまった企業と共に消え去ってしまうしかない。

では、彼らがIT産業に就職できるのかと言えば、それもなかなか難しい。今までデパートの店員をやっていた人が、デパートが潰れたからと言ってIT企業に就職できるだろうか。よほどITに関する技能があれば別だが、普通は難しい。人は右から左へと違う業種に移れるわけではない。

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今起きているのは、雇用を排除するイノベーション

今後「5G」によって引き起こされるパラダイムシフトと、ITにおけるイノベーションは、現代社会をより高度化・効率化させる。

業務が効率化することによって今よりも少ない人数で多くのことができるようになる。必然的に、今までよりも従業員が要らなくなる。すなわち、「雇用の削減」と「雇用の排除」が急激に進む。

効率性を極限まで追求した企業が大きな儲けを手に入れるので、「雇用の削減」と「雇用の排除」は競って行われる。それに成功した企業が「儲けられる体質」になり、競争力を手に入れる。

「儲けられる体質」というのは、「雇用を排除する」ことによって成し遂げられるので、今後の企業の成長は必ずしも人々の雇用につながっていくわけではない。むしろ、雇用を削いで成長していくので、ITに高度な知識を持たない人々は仕事が見つけられなくなり、窮地に落ちていく確率が高まる。

単純労働の仕事をロボットに奪われ、流通もドローンに奪われ、知的労働の分野も人工知能化していく自律プログラムが働くようになって消えていく。最先端の企業でも雇用する人が減っていく。

こうした中で私たちが生き残るためには、「IT技術に関する高度知識を、とことん身につける」以外にない。幸いなことにインターネット・テクノロジーの裾野は非常に広いので、自分の関心とインターネットを活かす接点は必ずある。

ネットワークに関心がある人もいる。プログラムに関心がある人もいる。アプリケーションを縦横無尽に駆使することに関心がある人もいる。自分の芸術的表現をインターネットで表現することに関心を持つ人もいる。

どれもがITを駆使する技能であるとしても、それぞれ世界が違う。それだけITの世界は広い。

「5G」の時代になると、リアルな社会よりもインターネットでの世界の方により比重が傾いていく。そこで生き残るためには、自分の能力や技能をインターネット・テクノロジーに融合させないといけないのだ。

自分の関心をITに融合する。それが次の時代の生き残り方法である。(written by 鈴木傾城)

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「5G」の時代になると、リアルな社会よりもインターネットでの世界の方により比重が傾いていく。そこで生き残るためには、自分の能力や技能をインターネット・テクノロジーに融合させないといけないのだ。

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