アマゾンという驚異の規模拡大企業。「QQQ」の10.38%はアマゾン

アマゾンという驚異の規模拡大企業。「QQQ」の10.38%はアマゾン

アマゾン(Amazon.com)という企業は本当に恐ろしい企業だ。今や日本人でもアマゾンの名を知らない人間はひとりもいないと言っても過言ではない。

アマゾンは言うまでもなく、世界最大のネット・ショッピング企業である。最初は書籍販売から始まったのだが、それだけにとどまっていない。

CD、DVD、ゲーム、家電、日用品まで次々と分野を広げていき、さらにはストリーミングでも世界トップに躍り出て、クラウド・サービスである「AWS」でも世界を完全に制覇した。

巨大な倉庫を擁して当日配送からダッシュボタンまで次々と革新的なサービスを提供し、さらにオーガニック食品のホールフーズ・マーケットを買収して、実店舗と生鮮食品の扱いも手に入れている。

それだけでなく、人工知能を駆使した無人店舗「アマゾン・ゴー」も実験的に始めており、世の中を革新的に変えようとしている。最高責任者はジェフ・ベゾス。現時点で、世界最強の経営者であると言える。

今後も、アマゾンは薬販売や銀行・決済分野まで次々と新しい分野を取り込んでくることになる。「アマゾン銀行」の誕生も噂されているが、ありえないことはない。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

PER(株価収益率)283倍のアマゾン

アマゾンの強みは、利益度外視で革新的な技術やサービスを次々と取り込んでいくことだ。

そのため、会社の利益を見てそれがいくら積み上がるのかを見て投資する長期投資家には、アマゾンという企業はなかなか投資しにくい企業である。

何しろ1995年から2002年まで営業利益率はずっとマイナスを這っており、2002年からやっと黒字になっているのだが、それでも今日まで一度も営業利益が10%を越えたことがない。

ここ10年を見ても、5%を越えたことは一度もない。0%から3%をうろうろしている。売上は右肩上がりで凄まじく伸びているのだが、それを利益につなげない。

これは「利益が出ない体質」なのではなく、ジェフ・ベゾスは「わざと利益を出さない経営をしている」ということであると理解しなければならない。

本来であれば利益になるものを、すべて先行投資や設備投資として回しており、規模の拡大を極限まで伸ばしている。この先行投資は爆発的に膨れ上がっていく営業利益で功を奏しているのが分かる。

つまり、アマゾンはジェフ・ベゾスの拡大路線が完全にうまくはまって規模を膨らませている企業であり、創業から現在までずっと「規模の拡大」路線で突き進んでいる企業なのだ。

巨大なのだが、まるでベンチャー企業さながらである。

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長期投資家は、通常は「長期に渡って継続的に利益を出し続けている老舗企業」を選択する。それが基本だ。

たとえば、コカコーラやフィリップモリスやJ&Jのような企業に投資する。アマゾンのような企業にはなかなか投資できないし、することもない。

まして、アマゾンは意図的に利益を押さえているので、PER(株価収益率)を見たら、283倍みたいな途方もない数値を出しており、腰が抜けそうな状況だ。

まるでアマゾン一社だけ1990年代後半のドットコム・バブルがそのまま継続しているかのように見える。

しかし、そうではない。アマゾンは「利益率を意図的に1%や2%に抑えて規模の拡大に邁進している」ので、その経営姿勢から見ると株価収益率はどうしても異常値になってしまうのである。そういう企業なのだ。

アマゾンは今後も拡大路線をひた走って企業規模は膨らんでいくので、場合によっては世界最強のハイテク企業であるアップルを時価総額で追い抜く日があるかもしれない。私はそう考えている。

世界はアマゾンに制覇されるのか、それともアマゾンの拡大路線は突如として崩壊していくのか、今のところはまだ何も分からない。

私自身はアマゾンという企業には投資対象として関心はまったく持っていない。

ところが、皮肉なことにETF「QQQ」を保有することで間接的にアマゾンも保有することになっている。「QQQ」の10.38%はアマゾンなのである。

そんなわけで、PER(株価収益率)283倍のアマゾンを注意して見つめていたい。(written by 鈴木傾城)

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