コカコーラ。優良企業だが、株価がしっかりと戻るには売上が必要だ

コカコーラ。優良企業だが、株価がしっかりと戻るには売上が必要だ

1886年に創業されたコカコーラは今もなお莫大な利益を計上し続ける多国籍企業だ。本社はジョージア州、従業員は約10万人。「たかが飲料用品の会社」どころではなく、凄まじいブランド力と規模を持った多国籍企業である。

コカコーラが世界中のどこにでも売られて飲まれているというのは私自身がこの目で見てきている。本当にどこにでも売っている。(世界中どこに行っても、アメリカの象徴コカコーラがあった

コカコーラを知らない人類はいないと言い切ってもいいかもしれない。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

「健康志向」で不利な状況だが、反転攻勢はあり得る

アフリカ人だろうが、中国人だろうが、インド人だろうが、インドネシア人だろうが、フィリピン人だろうが、スリランカ人だろうが、みんなコカコーラを知っているし飲んでいる。それほどコカコーラという企業は人類に膾炙している。

私が貧しいスリランカ人の女性と一緒にいたとき、何か飲もうと言ったときに彼女が「飲みたい」と言ったのもコカコーラだった。

スリランカ女性もコカコーラを飲むのかと何か文化的なギャップを感じて印象に残った。しかし、コカコーラが好きなスリランカ人は彼女が特別なわけではない。

スリランカの首都コロンボの大衆レストランに行くと、コカコーラがダンボールで山積みされていて、多くのスリランカ人がそれを飲んでいた。

「コカコーラは好きじゃないけどファンタは好き」というスリランカ人もいたのだが、よくよく考えるとファンタもコカコーラ社の出しているブランドである。

タイでもフィリピンでもオレンジジュースが飲みたいと言えばファンタを出してくることがある。もはやコカコーラ社の飲み物は「人類の飲み物」になっているのを感じる瞬間だ。

ただし、最近は砂糖たっぷりの炭酸飲料が肥満や糖尿病を引き起こすということが懸念されて、先進国を筆頭にコカコーラ社の炭酸飲料が飲まれなくなりつつある。

特に「子供たちに湯水のごとくコカコーラを飲ませるのはどうなのか」と問題提起されて、コカコーラの炭酸飲料は槍玉にあげられることが多くなった。

コカコーラの売上がじわじわと落ちているのは、こうした動きとは無縁ではない。そのため、コカコーラの株価はテコでも上がらなくなってしまっている。

事実、2012年からのデータを見ても、コカコーラの売上高は一貫して下がり続けている。

2012年12月の決算時には4兆8017億円あった売上は、2017年には3兆5410億円にまで縮小してしまっている。営業利益も落ち続け、純利益もまた落ち続けている。

こうした「ジリ貧」は、ボトリングの再フランチャイズ化に伴うものだが、販売数量が伸びないのでこうした再フランチャイズ化も必要になっているし、値上げで利益確保している状況であると言える。

社会は「健康志向」を目指すようになっており、コカコーラの炭酸飲料は明らかに不利である。人々は炭酸飲料よりもミネラルウォーターやコーヒーのような飲料を好むようになっており、コカコーラは時流から見捨てられつつある。

そうであれば、コカコーラはもう「終わり」なのか。

いや、コカコーラも時代が健康志向なのであれば健康に配慮した飲料のポートフォリオを増やしていけば生き残れるし、売上を上げていける。実際、コカコーラはその道を模索している。

さまざまな新製品を試行錯誤をしているうちに全世界に通用する新たなブランドを創生できる可能性も高い。

さらに、コカコーラのビジネスには、ミネラルウォーターも、ミルク飲料も、エネルギードリンク飲料も、コーヒーや紅茶も、利益を生み出せる分野は大量にある。

さらに世界人口も増えていくことから、コカコーラの潜在的消費者も増加していくと考えてもいい。

時代が変わったからと言っても人々は何も飲まなくなるわけではない。必ず何かを飲む。そうであればコカコーラ社の出している飲料を飲みたいと思う層が消えることがないというのは分かるはずだ。

コカコーラはROE(Return On Equity=自己資本利益率)を見ても、25%以上もある超優良企業である。この企業は「買ったら売る必要はない」と考えてもよい。

ただ、株価がしっかりと戻るには売上が必要だ。苦闘しているコカコーラがどこで上昇のきっかけを得るか、注意深く見つめていきたい。

 

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