世界中どこに行っても、アメリカの象徴コカコーラがあった

世界中どこに行っても、アメリカの象徴コカコーラがあった

1990年代、私はニカラグアやホンジュラスをさまよい歩いたことがある。これらの国はみずみずしいオレンジが採れて、街のあちこちに絞りたてのオレンジジュースを飲ませてくれる店があった。

私が街の老人たちと一緒に絞りたての信じられないほど旨いオレンジジュースを飲んでいたとき、そのすぐわきで現地の10代の少年たちはビン入りの飲料水を飲んでいた。

スラムに住む10代の少年たちが飲んでいたのは何だったのか。それは、毒々しいアメリカの飲料水「コカコーラ」だった。

ニカラグアでも、ホンジュラスでも、街の至るところに派手な赤いコカコーラの看板があり、アメリカのタバコ会社「フィリップモリス」の看板が踊っていた。

(アメリカの企業は本当に金があるんだな……)

コカコーラを飲む少年たちを見ながら、そう思わずにいられなかった。東南アジアでもコカコーラは当たり前にあったし、誰もがそれを飲んでいた。コカコーラに国境はなかったのだ。

コカコーラがないと生きていけないアメリカ人

第二次世界大戦時、後にアメリカの第34代大統領となるドワイト・アイゼンハワーがまだ連合国の遠征軍最高司令官だったとき、アフリカに遠征してまず何をしたのか。

1943年6月、アイゼンハワーは遠征軍最高司令官としてアメリカ政府に正式にこのような要求を突きつけた。

「コカコーラを300万本送れ。アフリカでコカコーラが生産できるように現地に工場を作れ」

コカコーラ幹部はアメリカ政府と連合国軍最高司令官の「命令」に応え、当時のコカコーラの社長はこのように言った。

「どんなに赤字が嵩もうとも、アフリカにコカコーラを送り込んで価格もアメリカと同じにする」

コカコーラはアメリカの兵士たちには必須の飲み物であり、これがないとアメリカ軍は「生きていけない」という認識だったのである。まさに、生命維持飲料の扱いだった。

アメリカ軍がヨーロッパに上陸したら、コカコーラも一緒に上陸した。アメリカ軍が日本を打ち破って日本に上陸したら、コカコーラもまた一緒に上陸した。

コカコーラはまさにアメリカの文化の象徴であり続け、それは今もまだ続いている

アメリカ人にとって、コカコーラが買えない国は抑圧された国という定義なのだ。コカコーラが買えるようになって、はじめて文明国になるという定義だろうか。

日本も戦後になってはじめて文明国になったとアメリカ人は認識している。なぜか。戦後からコカコーラが飲めるようになったからである。

ナイジェリア人もまたコカコーラを飲んでいる

コカコーラはイランでも飲まれている。エジプトでもヨルダンでも飲まれている。

広大な大自然が広がるアフリカ大陸でも、各国でコカコーラのロゴが街に踊り、コカコーラのスタンドがあり、どこでもそれを飲むことができる。

「西洋文化は罪だ」と叫んで少女たち270名を誘拐したイスラム過激組織「ボコ・ハラム」が暗躍するナイジェリアでも、調べてみたら、ちゃんとコカコーラを売っている。

ナイジェリア人もまたコカコーラを飲んでいるのだ。

まさか、ボコ・ハラムの連中はコカコーラを飲んでいないと思うが、もし飲んでいたら、それこそ「西洋かぶれ」として処刑が必要だろう。

しかし、コカコーラはアラビア語のロゴもあって、イスラム教徒もそれを飲み干している。子供の頃からコカコーラが当たり前にあると、それを自国の飲み物だと勘違いするイスラム教徒もいるかもしれない。

中国では、やはり中国語でコカコーラのロゴが書かれてあって、中国の子供たちはそれが中国人が発明した飲み物だと思っているという。

信じられないかもしれないが、反米イランでも、アフガニスタンでも、コカコーラは売っている。むしろ、コカコーラを売っていない国を捜す方が大変だ。

サウジアラビア人でも、コカコーラはがぶ飲みされており、肥満が社会問題化するほど深刻な状態になっている。

現在、コカコーラを売っていない国は2ヶ国あるという。1つはキューバ。そしてもう1つは北朝鮮である。2012年まではミャンマーもコカコーラを販売していない国の1つだったが、ミャンマーは「陥落」してコカコーラを受け入れた。

あとはキューバと北朝鮮だが、このどちらも20年後は間違いなくコカコーラが普通に売っているだろう。

なぜか。20年経ったら、カストロ体制も、金(キム)王朝体制もきれいに消え去って昔話になっているが、20年後もコカコーラは依然として多国籍企業として世界に君臨しているからだ。

アメリカの資本主義はかくも凄まじい

多くの人は、シンガポールの南部に、インドネシア領の島がポツリポツリと点在しているのを知らない。

インドネシア人ですらも、首都ジャカルタから遠いリアウ諸島の島々の存在など出身者でもなければ、思い起こすこともないだろう。

リアウ諸島の島々はバタム島やビンタン島以外は、みんな見捨てられたような島であり、さしたる産業もなく特徴もないので、今後も歴史の表面に上がってくることは絶対にない。

しかし、この見捨てられたリアウ諸島の、さらに誰も知らない山奥に売春女性が「捨てられて」いた。これについては、私の書籍『堕ちた女の棲む孤島』で詳しく触れている。

売春女性は山奥でも売春ビジネスの仕事をしたので、そこが知られざる「売春村」となって、堕落したシンガポール人を惹きつけていた。

そんな島で売春女性たちは暇つぶしに売春宿の前のテーブルに座って、一日中トランプ遊びやおしゃべりをしながら日々を暮らしている。

彼女たちは何を飲んでいたのか。インドネシアの名もない島の貧しい売春村でもコカコーラが提供されていた。誰も知らないような見捨てられたような売春村でも、コカコーラは見逃さなかったのだ。

売春女性はみんなコカコーラが好きだ。

シンガポールの売春地帯であるゲイランでも、男たちに安い金で買われて身体を提供するスリランカ女性がやはり、みんなコカコーラを飲んでいた。

売春宿の前に、コカコーラの自動販売機さえ置いてあった。シンガポールは暑い国だ。サリーを着たスリランカの女性がぐいっと煽ってそれを飲んでいく。

「コカコーラよ。あなたも飲む?」

彼女は私にコカコーラのビンを突き出すが、私はコカコーラみたいな炭酸飲料は飲みたくないので断った。

しかし、その後、私はコカコーラの株式を大量に買って今もずっと持ち続けている。コカコーラはドラッグだと認識したからだ。

売春女性が長らく愛するものは、フィリップモリスであれ、バドワイザーであれ、コカコーラであれ、消え去ることはない。なぜ消えないのか。それは、合法的ドラッグだからだ。

私にとってドラッグを扱う多国籍企業は買いだ。

この記事のツイッター投稿はこちらです

この記事を気に入って下さった方は、リツイートや♡(いいね)を押して頂ければ励みになります。

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

アメリカ企業カテゴリの最新記事